2018年に会社員の副業が解禁され、「副業元年」と言われて以降、コロナ禍を経て日本でも副業は定着しつつある。今回、すでに副業を解禁している大手企業の人事部門関係者61名へのアンケート・ヒアリング調査で、副業の現状が明らかになった。
副業で人的資本の価値が向上
副業を解禁した理由・狙いを尋ねたところ、副業を前向きに捉える意見が数多く聞かれた。
- 「キャリアを会社に依存する社員が多いので、副業で主体的なキャリア形成を促したいと思います」(食品・物流など)
- 「社員が社外での経験を通して、新たな人脈やスキルを獲得し、成長につなげることを期待します」(エンジニアリング・小売りなど)
- 「最終的には、副業で得られた経験・知識を会社に還流してほしいところです」(輸送機・商社など)
かつては低収入を補うために会社に内緒で働くイメージがあった副業だが、近年は社員の人的資本の価値、ひいては企業価値を高める方法として期待されている。
会社勤務だけで疲弊する社員よりリーダーとして有望?
副業を「原則自由」とする会社はごく少数で、大半は情報漏えいや競業避止義務に反する場合を除いて「原則として認める」という運用をしている。事前申請や事後の届け出といったルールを確認したところ、以下の結果となった。
- 事前申請が必要:19社
- 事前申請は不要で事後に届け出:25社
- 事前申請も届け出も不要:5社
- ルールを定めていない、その他:12社
雇用契約が生じる副業はしてほしくない
一方で、雇用契約が生じる副業については慎重な見方もある。会社勤務だけで疲弊する社員よりも、副業を通じて成長する社員の方がリーダーとして有望だという見方がある一方で、本業との区別を明確にしたいという企業側の本音がうかがえる。
調査では、副業で得られた経験や知識を会社に還流してほしいという期待が示されており、副業は単なる収入源ではなく、人的資本の価値を高める手段として位置づけられている。



