東京都健康長寿医療センター研究所の青栁幸利氏(運動科学研究室長)は、健康維持に効果的な運動として、毎日8000歩を歩き、そのうち20分は中強度の活動を取り入れることが重要だと指摘する。さらに、健康状態を日々「身につけて管理する」人は、そうでない人より年間約20万円も医療費が低かったという。
「8000歩を歩くだけ」では不十分な理由
青栁氏らが群馬県中之条町の住民の健康状態を20年以上にわたり調べた「中之条研究」では、住民の身体活動と健康の関係性が明らかになった。この研究は「奇跡の研究」「中之条の奇跡」とも呼ばれている。
研究の最大の成果は、1日の歩数と中強度活動時間に対する病気の関係が明らかになったことだ。歩数だけを見ると、1日8000歩が病気の予防効果がもっとも高く、それ以上歩いても効果はほとんど変わらない。
ただし、8000歩を漫然と歩いても病気は予防できない。中強度活動が含まれていないからだ。これは身体活動計を用いた調査で初めてわかったことだ。身体活動計を365日装着してもらうことで、1日の歩数と中強度活動時間の関係が明らかになった。
その結果、歩数と中強度活動時間が増えるにつれて、さまざまな病気の予防効果が高まることがわかった。
中性脂肪が1412から68へ劇的改善
青栁氏は自身の経験として、健康診断で中性脂肪が基準値150未満に対し1412と非常に高い値だったこと、運動のしすぎでインフルエンザにかかったことなどを挙げている。同氏は、ジムにお金を払うより安くて効果的な方法として「長生き歩き」を提案している。
なお、本稿は青栁幸利氏の著書『すべての病気が防げる長生き歩き』(エクスナレッジ)の一部を再編集したものである。



