日本人が「長生きしたくない」理由、6割が「家族に迷惑」…欧米との死生観の差
日本人が長生きしたくない理由、6割が家族への迷惑を挙げる

2023年に日本で実施された調査で、「長生きしたくない」と考える人の59.0%が、その理由に「家族やまわりの人に迷惑をかけたくないから」を挙げたことが、ホスピス財団(公益財団法人 日本ホスピス・緩和ケア研究振興財団)のアンケートで明らかになった。この調査結果について、大阪大学名誉教授の佐藤眞一氏は、日本人の死生観が家族や周囲との関係を強く意識するものであると指摘する。

調査結果が示す日本人の意識

調査によると、長生きしたくない理由の1位は「家族やまわりの人に迷惑をかけたくないから」で59.0%、2位は「身体がだんだんつらくなると思うから」で48.2%、3位は「経済的な不安があるから」で36.7%(複数回答)だった。

この順位は韓国でも同じで、2位と3位の割合も日本と同程度だったが、1位の「家族やまわりの人に迷惑をかけたくないから」は49.8%で、日本より10%近く低い結果となった。

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佐藤氏は「私たちは『人に迷惑をかけてはいけない』と言われて育ち、自己責任で行動することを求められる社会で暮らしているからでしょうか、人の世話になることへの抵抗感が強いのです」と述べている。

欧米との死生観の違い

一方、アメリカの調査では「身体の衰えへの恐怖」と「金銭面の不安」が1位と2位で、「家族やまわりの人に迷惑をかけたくないから」という選択肢自体がない。さらに、「配偶者やパートナーとどちらが先に死にたいか」という設問もないという。

佐藤氏は、欧米では家族を含む周囲の人との関係は自分の生き死にには関係ない、自分の人生は自分だけのものだという考えがあると指摘する。

人生会議とアジアの視点

「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」、いわゆる「人生会議」は、将来の医療や介護について自分の希望をあらかじめ家族や医療・介護関係者と共有する取り組みだ。これまでACPの定義や具体的な内容は、欧米の個人主義を反映した個人中心のもので、本人の意向が重要とされてきた。

しかし、本人の意向だけでなく本人と家族との和をも重んじるアジア諸国には必ずしもそぐわないため、国際会議で家族の意向も含めて考える方向に変える提案がなされた。ただし、国際的な合意は得られていない。

佐藤氏は、生き死にという個人的な事柄においてさえ、家族や周囲との関係を気にするのが日本人だとし、過去の高齢者への聞き取り調査で「子どもが生きがい」という回答が多かったことを挙げ、「生きがいとは本来、その人自身がどう生きるかの話だが、家族や周囲との関係性の中に生きがいのある人が多い」と考察している。

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