「アメリカン・エキスプレス」や「アメックス」と聞いて何を思い浮かべるだろうか。「ラグジュアリーな体験」「グローバル」「憧れ」「非日常」など、プレミアムなイメージを持つ人も少なくないはず。アメリカン・エキスプレスは、なぜ特別なイメージを持たれているのか。その理由を探ると、空港ラウンジやホテルといった特典だけでなく、会員一人ひとりに合わせたサービスへのこだわりが見えてきた。
今回は、担当者から聞いた話をもとに、アメックスならではの体験とその裏側を紹介する。
「アメリカン・エキスプレス」はほかのカード会社と何が違う?
さまざまなカード会社がある中で、「アメリカン・エキスプレスは何が違うのか」は、カード選びをする上で気になるポイントになるはず。実は同社は、自らを「クレジットカード会社」とは捉えていないという。
その理由について、同社カード事業部門 上席副社長の水村直美氏は、ビジョンとして掲げる「日々、世界最高の顧客体験を提供する」という言葉に表れていると説明する。
つまり、決済手段としての利便性や満足感だけではなく、カード会員だからこそ利用できる優待やサービス、プレミアムな体験といった"会員である価値"の提供を重視しているのだ。担当者によると、「働いていると、何の会社なのか分からなくなることがあります。それがアメリカン・エキスプレスの魅力だと思っています」とのことだ。
"会員のプレミアムな体験"にこだわる理由
では、なぜ"プレミアムな体験"にこだわるのか。その背景には、近年の顧客ニーズの変化が挙げられるようだ。同社のクレジットカードは、大きく分けて個人用と個人事業主・経営者用の2種類がある。
個人事業主・経営者用カードの利用者は、「ビジネスパーソンとしてのつながりを作りたい」「スキルの習得をしたい」というニーズ、個人用カードの利用者は「プライベートの体験を充実させたい」というニーズなど、それぞれに異なるニーズもある。一方で、共通したニーズとして、「プレミアムな体験を通じて特別感を味わいたい」「安心・信頼できる会社のサービスを使いたい」などが挙げられるようだ。
さらに、近年は「コト消費」という言葉に象徴されるように、「ハイブランドをたくさん購入する」などの"モノ"をメインとしたニーズから、「海外のラウンジやホテル利用を通じて、心に残る体験をする」などの"体験"をメインとしたニーズに変化している。特に、若年層においてこの動きが顕著だという。
こうした変化を受け、同社では加盟店ネットワークの拡大に加え、会員同士が交流できるイベントの開催など、カードを持つことで得られる体験価値の充実にも力を入れている。
アメックス会員ならではの"プレミアムな体験価値"とは?
では、同社のクレジットカードを持つアメックス会員は、具体的にはどのような体験価値が得られるのか。今回、個人カード会員が体験できる、アメックスならではの価値を紹介する。
"プラチナカード以上"が体験できる「ラグジュアリーな特典」
プラチナカード以上が体験できる特典の代表例として、「センチュリオン・ラウンジ」「ファイン・ホテル・アンド・リゾート」「コンシェルジュ・サービス」の3つが挙げられる。
「センチュリオン・ラウンジ」は、それぞれの国や地域の文化・伝統を踏襲した空間で、ラウンジごとに特色のある内装や食事、ドリンクを楽しめる、会員限定のラウンジ。昨年、日本初の「センチュリオン・ラウンジ」が羽田空港の第3ターミナルに開設された。この空間では、社員が常駐しており、和食などを通して旅行前の上質な時間を過ごせるのだとか。
「ファイン・ホテル・アンド・リゾート」は、同社の基準を満たしたホテルを対象とするプログラム。部屋のアップグレードや16時までのチェックアウト延長、朝食サービスなどの特典を受けられる。
「コンシェルジュ・サービス」は、カードやサービスの問い合わせ、旅の準備やレストランの予約など、さまざまな相談や要望にオペレーターが答えてくれるサービス。旅行での航空券やレンタカー、客船の手配から、世界中の主なホテル、有名レストランの予約まで、利用者の要望に沿った形でプランを作成・提案してくれる。
これらのサービスは、個人カードのみでなく、個人事業主・経営者向けカードでも利用できるため、出張での体験を充実させたり取引先との会食の手配を相談したりすることもできる。
ほかにも、F1や文化財、アーティストライブなど"好き"を支える特典も
ほかにも、「F1(TM)グローバル・オフィシャル・パートナー」専用シートでの観戦やショップに並ばずに入店できる特典や、「清水寺 貸切ナイトビューイング」、プレミアムなレストランで数千席規模で行われる「ダイニング・イベント」などの特典も。
また、ビリー・アイリッシュ、レディー・ガガ、テイラー・スウィフトなどの人気アーティストのライブチケットを入手できる特典もあるそうだ。
知っていると面白い、「アメックス」の裏話
最後に、同社の担当者から聞いた"アメックス"に関する裏話を紹介する。
「MEMBER SINCE(メンバー・シンス)」のプライド
アメックスのクレジットカードには、持ち主が「いつから会員になったか」が分かる「MEMBER SINCE」という仕組みがある。最初に入会した年(西暦)がカードに刻まれるのだ。この数字は、アメックスであれば、カードを変更しても引き継がれるという。
富裕層向けやプレミアムなカードというイメージを持つ人も多いアメックスだが、担当者によると、この「MEMBER SINCE」に誇りを持ち、長年の会員歴を大切にしている人も少なくないという。会員にしか味わえない"誇り"が面白い。
マニュアルのないコンシェルジュ・サービス
また、先ほど紹介した「コンシェルジュ・サービス」は、実は一般的なコールセンターなどと違い、"マニュアルがない"のだとか。そのため、利用者それぞれの要望を丁寧にヒアリングし、プランを提案する必要があるという。
このような見えないところからも、上質な体験を常に提供し続ける同社のプライドが表れているように思える。
アメックスの会員には、ライフスタイルの変化に合わせてカードのランクを上げていく人もいれば、最初からプラチナ・カード以上を選ぶ人もいるという。今回紹介したプレミアムな特典のほかにも、より利用しやすい身近な特典が用意されている。こうした選択肢の幅広さも、会員一人ひとりのライフスタイルに合わせた体験を重視する、アメックスならではの特徴といえそうだ。



