米カリフォルニア州の連邦地裁は20日、米メディア大手パラマウント・スカイダンスによるワーナー・ブラザース・ディスカバリーの買収手続きを一時差し止めるよう命じた。地裁は、買収が反トラスト法(独占禁止法)に違反する可能性が高いと判断し、両社の統合による映画配給市場の寡占化を懸念する州側の主張を認めた形だ。
地裁の判断と今後の審理
地裁の命令文は「買収が反トラスト法に違反する可能性が高いとの推定が成り立つと判断した」と述べている。差し止め期間は14日間で、地裁は8月3日に裁判中の買収を停止する仮差し止め命令を出すかどうかを審理する予定だ。この命令により、買収手続きは少なくとも2週間停止されることになる。
買収計画を巡る動き
この買収計画を巡っては、米司法省が6月に競争を阻害する可能性は低いとして調査を終了していた。しかし、カリフォルニア州など12州が、買収は反トラスト法に違反するとして両社を相手取り提訴していた。州側は、両社の統合により映画配給市場で寡占化が進み、競争が損なわれると主張していた。
パラマウント・スカイダンスは、映画やテレビ番組の制作・配給で知られる大手メディア企業であり、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーも同様に大手スタジオを擁する。両社の統合が実現すれば、ハリウッドの映画配給市場における勢力図が大きく変わる可能性がある。
市場への影響と反応
今回の地裁の決定は、メディア業界の統合に対する規制当局の姿勢を反映したものとみられる。反トラスト法の観点から、巨大メディア企業の合併が消費者の選択肢を狭める可能性が指摘されてきた。地裁の判断は、こうした懸念を一時的にせよ認めた形だ。
両社は今後、地裁の審理に応じて買収計画の正当性を主張していくとみられる。8月3日の審理では、仮差し止め命令の是非が焦点となる。業界関係者は、この結果が今後のメディア業界のM&Aに影響を与える可能性があると注目している。



