預託金なしで終活を一任、東京海上日動が保険で全国展開
預託金なし終活支援保険、東京海上日動が全国展開

東京海上日動火災保険は8月から、身寄りのない高齢者が預託金を準備しなくても「終活」を一任できるサービスを支援する保険の全国展開を始めた。単身高齢者が病気や孤独死に備える「終身サポートサービス」は一般的に高額な預託金が必要だが、保険の仕組みで利用しやすくする狙いがある。

知多半島での試験導入を経て全国展開

東京海上は昨秋から、愛知県の知多半島にある4市5町(半田市、常滑市、東海市など)で単身高齢者らの支援を行う知多地域権利擁護支援センターと提携し、この仕組みを試験導入していた。センターは単身の中高年住民向けに「くらしあんしんサポート事業」を展開し、基本プランでは定期的な見守りや入院・施設入所支援に加え、死後の火葬も約束する。

利用者は加入時に預託金を支払う必要がなく、年齢・性別ごとに設定された月額利用料をセンターに支払う。40歳以上なら加入でき、60~74歳で契約すれば月々の保険料相当額は終身で1千円台。オプションで納骨や遺品整理などのサービスも追加できる。

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保険金で実費をまかなう仕組み

センターは東京海上と保険契約を結び、利用者が亡くなると火葬などにかかった実費を保険金としてセンターから東京海上に請求する。60~74歳でサービス契約した場合、センターが東京海上に支払う一人あたりの保険料は終身で月1千円台から(性別や支払い限度額による)という。

東京海上はこの仕組みを全国展開しており、一般社団法人「全国権利擁護支援ネットワーク」と連携し、加盟する180以上の事業者と保険契約を結べるようにした。担当者によると、サービスの拡大に向け、厚生労働省や全国の社会福祉協議会などとも意見交換しているという。

高まるニーズと相次ぐトラブル

独身、離婚、死別などで一人暮らしをする高齢者がいる世帯数は933万(2025年)に達し、終身サポートサービスの事業者は400社を超え、6万~10万人が利用しているとされる。一方で、高額な預託金をめぐるトラブルも相次いでいる。

南関東で一人暮らしをする70代女性は2年前、民間の終身サポートサービスと契約し、入会金や年会費、入院入所の手続き支援や死後事務契約の預託金などとして計150万円を支払ったが、今年になって解約を申し出たところ50万円分の返金に応じてもらえなかったという。国民生活センターに寄せられた終身サポート契約にまつわる相談件数は24年度に421件、25年度は406件と、16年度に比べ3倍ほど増えており、26年度も年間400件前後のペースで相談がある。

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