ソフトバンクグループ(以下、ソフトバンクG)の後藤芳光CFO(最高財務責任者)は、8月6日の2027年3月期第1四半期決算説明会で、同社が保有する株式の時価総額(NAV)を2042年までに1000億円にするという目標について、「残念な会社がいっぱいある」と述べた。
後藤CFOの発言の詳細
後藤CFOは、孫正義会長兼社長が6月24日の定時株主総会で掲げたこの目標に対し、「興奮とともに、大変うれしく思った」とコメント。その上で、「当社は時価総額がこれだけ大きくなったが、創業者でありCEOであり筆頭株主であるというポジションのままいます。こういう会社のサクセッションプラン(後継者育成プラン)をどうすべきか、投資家から質問をいただくところだ。われわれは、彼がさらに素晴らしいパフォーマンスを出してくれる限り、頑張ってほしいと思っている。われわれも引き続き支えていきたい」と語った。
また、後藤CFOは投資戦略について、「予算を持たない」と明言。一般的な事業会社のように「年間の予算計画」などを公表していないことを説明し、「予算を意図的に持っていない」と述べた。
「自分たちのような投資会社としてパフォーマンスを最大に出そうとすると、例えば予算を持っていて、3月半ばに予算が余る『予算を使わないと来年度に予算をもらえない』と考えて『しょうもない会社』に投資することがある。そういう会社は世の中にいっぱいあるだろう。また、予算を全部使い切ったあとに良い会社が出てきて『もう予算枠を使っちゃったから投資できない』というアホな会社もいっぱいある。そういうことをしてはならない」と持論を展開。「いい投資はいいときにやる。これを実行する」と強調した。
LTV25%未満で安全性を確保
ソフトバンクGは、投資における財務方針に「LTV25%未満」を掲げている。LTV(ローン・トゥ・バリュー)は、保有株式の時価総額に対する借入金の割合だ。
後藤CFOは「LTVを25%未満で運営しておけば、株式市場が大きく荒れても全く安全なレベルだ」と説明。ソフトバンクGのように自己資本による投資規模が大きい会社は珍しいとし、「会社の安全性を皆さんに見てもらうために、数字(を出すこと)が重要だ」と述べた。
2027年3月期第1四半期の決算では、LTVが13%だった。後藤CFOは「13%は大変安全な数字だ。安全過ぎる。もうちょっと投資しなければいけないのではないか、というレベルまで改善している」と語った。
NAVの推移と目標
1994年、同社のNAVは2000億円だった。2010年には約15倍となる3兆円を突破。2026年6月24日時点のNAVは74兆円まで積み上がった。米NVIDIAや米OpenAI、中国のAlibaba Group HoldingやByteDanceなど、数々の大型投資を「成功」させてきた実績がある。
孫会長は6月24日の定時株主総会で、同社が保有する株式の時価総額(NAV)を2042年までに1000億円にすると語った。後藤CFOはこの目標について、「興奮とともに、大変うれしく思った」と述べた。



