シャープの河村哲治社長CEOは、2026年8月20日、社内イントラネットを通じてCEOメッセージを配信した。「逆風を乗り越え、成長へと歩みを進めよう!」と題し、2026年度第1四半期業績の振り返りや新規事業への取り組みなどについて触れた。
2016年8月に鴻海(ホンハイ)傘下に入って以降、歴代社長はCEOメッセージを社内に向けて配信してきた経緯がある。河村社長CEOは、就任した2026年4月1日に最初のCEOメッセージを配信しており、今回が2回目となる。
第1四半期は黒字確保、自己資本比率20%台に回復
8月7日に発表した第1四半期(2026年4月~6月)の連結業績については、売上高がアセットライト化の影響で減収となり、利益についてもメモリーなどの部材価格の高騰、前年に対して約15円も進行した円安の影響を受けて、減益になったことを報告。その上で「しかし、コストアップ影響の売価への反映や経費削減などに全社をあげて取り組んだ結果、全体で黒字を確保することができた。加えて、財務の健全性を示す自己資本比率も、ひとつの目安としていた20%台に回復した」と成果を強調した。自己資本比率が20%台に回復したのは、2022年度第3四半期以来となる。
その上で、「足元では、中東情勢に起因する樹脂および燃料価格の上昇が業績に大きな影響を及ぼしつつある。また、為替も期初の想定よりさらに円安水準で推移していることから、今回の決算では、期初時点で見通すことが難しかった外部環境変化を織り込み、通期の業績予想を下方修正した」と述べた。
2026年度(2026年4月~2027年3月)連結業績見通しは、売上高は期初計画を据え置き、前年比6.5%減の1兆7700億円としたものの、営業利益は190億円減額し、同38.2%減の300億円、経常利益は170億円減額し、同62.0%減の220億円、当期純利益は170億円減額の同47.3%減の250億円と下方修正している。
AIサーバー事業、9月中に事業開始説明会を開催
河村社長CEOは、「新規事業のひとつであるAIサーバーは、事業開始に向けた準備が最終段階に入っている。販売機種の調整がおおむね完了し、現在は、鴻海などと事業スキームや諸条件の詳細を詰めているところだ。早急にこれらを整え、9月中には事業開始に関する対外説明会を開催し、本格的な事業展開をスタートさせる予定である」とした。
また、同事業を推進してきたAIサーバー事業推進センターは、これまでは本社傘下で事業化の準備を進めてきたが、本格的な事業立ち上げフェーズに入ることから、8月16日付で、スマートビジネスソリューション(SBS)事業本部傘下に移管。「今後は、各関連部門との連携を一層強化し、スピード感をもって事業の立ち上げと拡大に取り組んでいく」とした。
鴻海との連携強化、HHTD26に8アイテム出展
一方で、新規事業領域における鴻海との連携強化についても、着々と取り組みが進んでいることも示した。「私自身、5月に2度、台湾を訪問し、鴻海幹部と協議を重ねるとともに、彼らが持つ技術アセットを自らの目で確認してきた。そして、6月には鴻海との今後の協業のプラットフォームとなる『新規事業領域における戦略的協業に関する覚書』を締結し、10月には台湾に新拠点を設立して、連携をさらに加速していくことになる」と説明した。
新たな報告として、鴻海が10月30日から2日間にわたって、HHTD26(鴻海Tech Day)を台湾で開催する予定であり、シャープから8アイテムを出展することを明らかにした。河村社長CEOは、「HHTDは、鴻海グループが持つ技術アセットや、最新の取り組みが一堂に会する貴重な機会であり、私自身も現地を訪問する予定である。新規事業に携わる社員は、ぜひ現地を訪れて、最先端の技術や事業事例に触れ、新たな事業機会の創出や連携拡大につながるきっかけにしてほしい」と提案した。
さらに、「新規事業を、スピード感をもって進めていくためには、事業推進部門だけでなく、関連部門によるサポートや事業を進めやすい環境づくりが重要である。オールシャープとしての総力を結集し、シャープの成長を牽引する新規事業を、一日も早く軌道に乗せ、大きく成長させていきたい」と宣言した。
タウンホールミーティング、海外拠点でも実施へ
メッセージの最後には、2026年5月からタウンホールミーティングを実施し、河村社長CEO自らが各事業所を訪れ、今後の方向性を伝えるとともに、社員からの声を聞く場としていることに触れた。これまでに、八尾、広島、幕張、亀山のほか、大阪・堺筋本町の本社で実施。合計で1300人以上の社員が出席して、数多くの質問や意見を得ることができたという。また、今週末には東京の芝浦オフィスでタウンホールミーティングを開催し、その後、天理や奈良の拠点のほか、米国、英国でも実施して、10月下旬にはASEANでもコミュニケーションの機会を設けることを検討しているという。
「こうした取り組みを通じて、Face to Faceでの対話の重要性を改めて感じている。タウンホールミーティングは、各事業所を一巡しただけで終わらせるのではなく、今後も継続的に実施し、直接コミュニケーションできる機会を設けていきたい」との考えも示した。
締めくくりとして、河村社長CEOは、「足もとの事業環境は、極めて厳しく、先行きも依然として不透明な状況が続いている。だが、こういう時だからこそ、社内の連携をより一層密にし、全員の力で課題解決に取り組むことがこれまで以上に重要になる。私自身も、やれることはすべてやる覚悟である。全社一丸となってこの逆風を乗り越え、その先にある成長を実現していこう」とした。



