RIZAPグループは8月14日、2027年3月期第1四半期(2026年4月1日~6月30日)の連結決算(IFRS)を発表した。売上収益は369億円(前年同期比92.5%)と減収となった一方、営業利益は7.9億円(前年同期4.0億円)と前年同期比約2倍を達成。最終利益は1.3億円となり、前年同期から60.8億円改善し、5期ぶりの黒字化を果たした。
主要グループ会社が業績を牽引
リユースやエンターテインメント事業などを手掛けるREXTは、トレーディングカードの好調やアミューズメント強化により大幅増収増益を達成し、過去最高益を記録。キッチン家電・生活雑貨などのライフスタイル製品を企画・販売するBRUNOも、新規キッチン家電やカタログギフトの高価格帯商品が好調で、さまざまなグループ会社が黒字化に大きく貢献した。
「chocoZAP」既存店の95%が3カ月連続黒字
今回の決算で特に注目されたのは、コンビニジム「chocoZAP」の収益性だ。2026年4~6月の3カ月間における既存店1,842店舗の実績を見ると、3カ月連続で黒字だった店舗は1,749店。実に既存店全体の95.0%にのぼる。
一方で、一時的な赤字(1~2カ月のみ赤字)にとどまった店舗は3.1%。3カ月連続で赤字となった「恒常的な赤字店舗」はわずか1.9%(35店舗)に限定されており、収益性を理由とした店舗撤退や退店は発生していないとしている。
また、2024年4月時点から2026年3月時点にかけて損益分岐点となる会員数を半減させ、その結果、「少ない会員数でも黒字化するベースを構築した」と説明。開業から年数を経た店舗ほど黒字を安定的に維持する傾向があり、出店を進めるほど収益性そのものが押し上げられる構造を整備したとしている。
会員数・店舗数ともに拡大基調
「chocoZAP」について深掘りしていく。直営・FCの二刀流による出店投資の本格再開と高効率な広告投資により、「chocoZAP」の会員数は116.7万人となった。
店舗数は2026年8月14日時点で国内2,030店舗。海外26店舗を合わせると2,056店舗になる。2027年3月期の出店計画は、国内300~650店舗、海外50~150店舗で、最大で2,709店舗を見込んでいる。
また、店舗運営にも注力している。修理の内製化や巡回体制の強化を図る「ちょこメンテ」により、マシン故障率は過去最低水準となる1.60%まで改善した。さらには、従来の「清掃スコア」「マシン故障率」の2つの指標から、会員の“生の声”を取り込んで店舗品質を高める仕組みに刷新したという。
AIが意見・不満を解析し、店舗の改善につなげることで、会員がつけるスコア(満足度)を向上させた。同社は、こうした取り組みにより店舗品質の改善を進めている。
FC展開も加速しており、直営店譲渡と新規出店をあわせた実績は8月14日時点で54店舗。2027年3月末には286店舗規模まで拡大する見込みだ。
成長戦略とAI活用の両輪で進化
今後の「chocoZAP」の展望についても説明された。まず、全店舗を最新鋭マシンで刷新するなど、既存店をリニューアルする。次に未開拓層である20~30代女性市場をターゲットに女性専用店舗を増やしていく予定だ。そして、直営・FCの二刀流で全国への新規出店を継続的に拡大するとしている。
さらには、生成AIを活用した「AIトレーナー」の実証検証を開始する。「AIトレーナー」はAX(AIトランスフォーメーション)による次世代店舗づくりの一環として進められており、まずトレッドミル(ルームランナー)にAIトレーナーを導入。タブレット上でのコミュニケーションを行うことで、運動の習慣化と来館数の増加を狙う。
また、SOMPOホールディングスと2026年1月から進めている実証プロジェクト「SOMPOチョコ活!」の開始3カ月時点のデータも公表された。運動習慣のない社員の40%が新たに運動を開始。まったく運動をしていなかった人の割合は58.1%から34.0%に低下した。
「chocoZAP」の利用頻度が高い人ほど、プレゼンティーイズム(生産性低下)が改善する傾向が見られ、1人あたり最大で月5,640円の経済価値があると試算。肩こり、腰痛、疲労感といった心身の不調も改善傾向が確認された。
株主優待についても触れられ、「chocoZAP」を半額で最大1年間利用できる「チョコザップ優待」を用意しているという。年間最大19,668円(税込)お得になり、400株以上を保有する株主は家族・友人(400株以上で1名、800株以上で3名まで)と優待を共有することも可能だ。申込期限は2026年10月2日18時までとなっている。
5期ぶりの最終黒字化という節目を迎えたRIZAPグループ。その原動力となったのが、既存店の95%が3カ月連続で黒字という「chocoZAP」の収益基盤の強さだ。出店を増やすほど収益性が高まる好循環が整った今、今後の業績動向が注目される。



