都市部の駅近くにある高層ビルに、プルデンシャル生命保険のその支社は入っている。平日の昼間だというのに、ある社員は談笑し、別の社員はうたた寝。スマートフォンでユーチューブの動画を見続ける社員もいる。
「僕はもっぱら宅建士資格の取得のために勉強しています」。プルデンシャルのライフプランナー(LP、営業社員)の男性はそう言った。
本来なら保険の契約獲得のために、外回りに忙しいはずのLPたち。以前はこのオフィスにLPたちが集まるのは、月曜と木曜のミーティングの時くらいだった。だが最近は多くのLPが連日出社し、手持ちぶさたのまま時間を過ごす。職場には弛緩した雰囲気が漂っているという。
発端は巨額の金銭不祥事
顧客からの金銭詐取などが発覚したプルデンシャル生命保険。2026年1月、会社が発表した大規模な金銭不祥事がきっかけで、2月から新規契約の営業を自粛している。
100人超の社員らが約500人の顧客から、計31億円余りをだまし取るなどしていた――。前代未聞の事態に寄せられた強い批判は、会社の想定を超えた。
プルデンシャルは2月から急きょ、新規営業を自粛。「LPの管理強化」のためとして、LPに1日1時間の出社義務を課した。だが、「(そんな短時間では)意味がないのでは」などと金融庁から指摘されたこともあり、途中から毎日、午前9時~午後5時に出社することとなった。
研修ネタ切れ、自粛延長
会社はLP向けにコンプライアンス(法令や社会規範の順守)や営業研修の動画などを用意したが、研修の材料はすぐに「ネタ切れ」に。一方、会社は4月22日、顧客からの被害申告や相談が新たに約700件にのぼったと公表した。
5月9日までだった営業自粛期間はさらに半年延び、11月5日までとなった。



