社名変更「NGK」野球場の芝でロゴ 社員意識改革に広告活用
社名変更「NGK」野球場の芝でロゴ 社員意識改革に

プロ野球・中日ドラゴンズの本拠地、名古屋市のバンテリンドームナゴヤ。外野グラウンドの人工芝を見ると、左中間と右中間に「NGK」の文字が浮かび上がる。芝の濃淡で描かれたロゴは縦横10メートルの100平方メートル。ドーム内で「最大の広告」として2月に設置された。

来場者だけでなく、野球中継やニュース番組の視聴者にもアピールできる。NGKは2年契約で、日本ガイシからの社名変更を強く訴える。

テレビCMで「なんでも・技術で・変えていく」

1月に放映開始したテレビCMは、俳優のムロツヨシさんを起用。テンポの良い楽曲に乗せて新社名を印象づける。広告・宣伝担当の中居友紀グループマネジャーは「新社名を定着させるため、接触の機会を増やしている。今は『説明より記憶』『理解より認知』と割り切っている」と話す。

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企業広告は自社製品の購入促進が一般的だが、NGKは企業向けビジネスが中心で、テレビ視聴者への直接訴求は食品メーカーなどより意義が小さい。しかし、中居氏は「社員の意識を変える効果を狙っている」と明かす。社員自身がCMを見たり周囲に指摘されたりすることで、社名変更の理由を自覚するという。

新経営計画で「挑戦」意識を数値化

5月に発表した新たな経営計画では、定期的な調査で社員の「挑戦」意識を測り、レベルを引き上げる目標を掲げる。社名変更に合わせ、「変えていく」文化を社内に根付かせ、事業構成の転換を加速する考えだ。

社名変更は社員の意識を変える大きなきっかけとなる。包装材大手のZACROS(ザクロス、本社・東京都)は2024年、創業110周年を機に藤森工業から社名を変更しロゴも刷新。新ロゴを検討する会議では社員自身がデザインを考え、歴史や大切にしたい姿勢を振り返った。

社名が変わると、社員は名刺交換のたびに理由を説明する必要が生じる。ザクロスでは変更から2年近くが経過し、社員の意識に変化が。下田拓社長は「『自分たちも変わらないといけない』という意識が芽生え、社員が動き出す。一部で新しい事業の発想が生まれ始めている」と語る。

社名変更の費用は数十億~数百億円

社名変更には広告費や名刺・看板の交換など一定のコストが発生する。2008年に松下電器産業がパナソニックに変わった例では約300億円を見積もった。東京商工リサーチの桜井浩樹氏は「変更後数年間は事務コストや広告費の負担が重く、利益を残しにくい構造になる」と指摘。その後は利益率が回復する傾向があり、「新社名浸透によるイメージ転換や社員の意識変化の効果が出てくる」と分析する。

NGKは社名変更を好機と捉え、社員の意識改革を進める。神藤英明専務は「新しい事業を生み出さないと会社が持続しないという危機感がある。新しいことに果敢に挑戦し、次のステージへ進むための社名変更だ」と強調する。

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