M&A支援機関協会の代表理事を務める三宅卓・日本M&Aセンター会長は、経営者保証が外れないトラブルへの対応について「保証解除(の対策)はずっと継続してやっている」と強調した。しかし、その言葉を裏切るような事例が、自身が会長を務める日本M&Aセンターで起きていた。
「ほとんど聞かなくなった」発言の一方で
3月4日、東京・八重洲の貸会議室で開かれたM&A支援機関協会のメディア向け勉強会。三宅氏は「不適切な買い手問題への対応はスピーディーにできた」と自賛し、経営者保証について「契約書でしっかり義務づけ、約束させることも非常に大事。約束を破ったらリストに載ることが強制力になり、(解除されない)問題が減っている。ほとんど聞かなくなったのが現状ではないか」と述べていた。
ところが、日本M&Aセンターでは契約書で保証解除を努力義務にとどめ、保証が外れていないことを隠そうと担当者らが顧客にうそをつかせていた実態があった。
「特定事業者リスト」の運用と要件
不適切な買い手を防ぐため、業界内で情報を共有する「特定事業者リスト」は、協会が2024年10月に運用を始めた。2025年4月からは「株式譲渡後60営業日以内に保証を解除しない買い手」を自動登録の要件とした。リストを利用する会員には、問題が起きたら速やかに協会へ知らせる義務がある。
M&Aトラブルを防ぐために講じてきた国や業界団体の対策は十分なのか。経営者保証の未解除や表明保証違反、わかりにくい成功報酬など、仲介業界の課題を探る。



