東証グロース市場に上場するウェッジホールディングス(HD)は21日、昭和HD(東証スタンダード)の主要子会社だった会社の株式について、タイの投資会社に売却したと正式に発表した。昭和HDは会社更生手続きを申し立てられるなどしており、事態は一段と混迷を深めている。
ウェッジHD、担保の子会社株をタイ企業に売却
ウェッジHDによると、昭和HDから借金の担保として取得していた子会社株式の多くを、タイの投資会社側に17日付で売却した。この売却により、昭和HDの子会社だった企業群の株式がウェッジHDの手を離れることとなった。
昭和HDは先に、子会社株の処分を禁じる仮処分命令が東京地方裁判所から出されたと13日に公表していた。しかしウェッジHDは「書類が届いておらず、真偽は不明」と主張し、仮処分命令の存在を認めていない。
昭和HD、会社更生法の申し立てを受ける
一方、昭和HDは17日、会社更生法の適用を申し立てられ、保全管理命令が出されたと発表した。申し立てたのは、損害賠償請求権があると主張する金融グループの海外子会社。東京地裁は今後、更生手続きを開始するかどうかを判断する。
昭和HDは8日の発表で、6月29日の株主総会後に取締役3人と連絡が取れなくなり、帳簿や実印などが引き継がれていないと説明。傘下にあったウェッジHDなど主要な子会社は、総会前に借金の担保として子会社側に差し出され、連結対象から外れていた。
実印や通帳も不明、上場企業の異例の事態
昭和HDは「実印も通帳も帳簿もない」と衝撃的な発表を行っており、上場企業として極めて異例の事態に発展している。同社の本店所在地だった千葉県柏市には「SHOWA」の看板が残るが、経営の実態は不明瞭な状態が続いている。
ウェッジHDの売却発表により、昭和HDの子会社株式はタイ企業の手に渡ったことになる。昭和HDの更生手続きの行方とともに、今後の企業統治のあり方にも疑問が投げかけられている。



