キオクシアホールディングス(HD)の時価総額が44兆3627億円に達し、トヨタ自動車を上回って日本企業でトップとなった。16日終値ベースでは51兆円を突破し、勢いはとどまるところを知らない。
生成AI需要が追い風に
生成AI(人工知能)需要の急拡大に伴い、世界的なデータセンター投資が活発化している。半導体メモリーの需要が増加し、キオクシアもその恩恵を受けている。同社の太田裕雄社長は6月2日の投資家向け説明会で、「現在の株価は、AI需要を的確に捉えた戦略に対する資本市場からの評価と信頼の表れ」と述べ、手応えを語った。
1年で株価35倍超へ
当初、AI半導体向け需要はDRAMに集中し、韓国のサムスン電子やSKハイニックス、米マイクロン・テクノロジーなど大手メモリーメーカーはNANDよりDRAMの生産を優先した。NAND専業のキオクシアは一見無風に見えたが、競合からの供給減少により、2025年後半から世界的なNAND不足が顕在化。25年8月に2500円前後だった株価は9月から上昇トレンドに入り、今年1月末には2万円台、16日終値は9万4720円を記録した。
収益の安定化が至上命題
キオクシアは過去の価格変動の激しさから「トラウマ」とも言える経験を持つ。そのため、収益安定化が最優先課題となっている。同社は長期契約の拡大や製品ポートフォリオの多様化を進め、価格変動リスクの低減を図っている。
当面は国内拠点投資を優先
海外工場への投資には慎重な姿勢を示し、まずは国内の既存拠点への投資を優先する方針だ。これにより、安定した生産体制を維持しつつ、需要変動に柔軟に対応できる体制を整える。キオクシアは、生成AI時代におけるNANDメモリーの重要性を踏まえ、持続的な成長を目指している。



