キユーピー社長の高宮満さん(65)は、会社員人生の終わりに「何に助けられましたか?」と聞かれたら「逆風と答えます」と語る。就任当初、次から次へと難題が押し寄せ、目の前のことに対処するだけで手いっぱいだった。その流れをせき止め、低迷する業績を回復させた一手とは。
突然の指名、前向きな気持ち
次期社長の指名は突然だった。当時の社長から呼び出され「次はお前に任せるよ」。驚いた。それまで異動の内示は即答してきたが、このときばかりは10分だけ考え、引き受けた。大好きな食べ物に関わる仕事であり、会社にも貢献したい。なによりも、また新しい挑戦ができる――前向きな気持ちがあふれた。
就任前日に始まった逆風
その思いとは正反対に、逆風が強く吹いていた。2022年2月、社長就任の前日にロシアがウクライナに侵攻した。ただでさえコロナ禍で取引先の外食産業は落ち込んでいたのに、原材料費は値上がりした。
そのさなかに現役の社長が集う勉強会に誘われ、秋に通い始めた。主宰する橋本孝之さん(日本IBM名誉相談役)は毎回冒頭に「視座を高めなさい」と語る。理屈は、わかる。だが何をすれば……。「目の前のことだけで四苦八苦でした」
「いわば経営危機」だった23年
翌23年は「いわば経営危機だった」と打ち明ける。賃上げに踏み切った理由は鳥インフルエンザが大量発生し…この記事は有料記事です。



