KADOKAWAの定時株主総会が6月24日午後2時から東京都内で開催され、筆頭株主であるアクティビスト(物言う株主)のオアシス・マネジメント(以下、オアシス)が、夏野剛社長CEOの取締役解任を求める株主提案を提出した。オアシスはKADOKAWA株式の13.76%を保有し、ソニーグループ(約10%)を抜いて筆頭株主となっている。
オアシスが指摘する業績悪化と戦略の不透明性
オアシスは夏野氏の解任理由として、社長就任以降の5年間で営業利益やROE(自己資本利益率)が低下した点を挙げる。さらに、ゲーム子会社であるフロム・ソフトウェアにおける戦略の不透明性や、出版ビジネスの収益性低下も問題視している。オアシスのセス・フィッシャー最高投資責任者は「非常に長い時間を彼らには与えた。夏野氏の下で業績が一貫して悪化してきたことを考えると、シンプルに彼はリーダーとして適任ではない」とコメントした。
夏野社長の経歴とKADOKAWAの現状
夏野氏はNTTドコモなどを経てドワンゴで取締役を務め、2014年の旧KADOKAWAとドワンゴの経営統合に伴いKADOKAWAの取締役に就任。2021年に代表取締役社長に抜擢され、2023年からは取締役代表執行役社長CEOを務めてきた。しかし、KADOKAWAは3期連続で営業減益となっており、業績低迷が続いている。
ソニーとの資本業務提携と株主提案の行方
2024年末、KADOKAWAはソニーグループと資本業務提携を発表し、業界を驚かせた。夏野氏は2025年3月の東洋経済のインタビューで「1人の作家の個性で出せちゃう本はすごい。それをわれわれは年間6000点も出しているのだから、僕がソニーの経営者だったら(KADOKAWAを)買いに行く」と語り、IP(知的財産)を大量創出する自社の経営に自信を示していた。しかし、その後の状況は一変。オアシスの株主提案は一定の賛同を得る可能性があり、総会の行方が注目される。
KADOKAWAの構造的課題
オアシスは6年前からKADOKAWAとの面談を重ねてきたが、改善が見られなかったとしている。同社の課題として、ヒット作品の減少による収益低下や、出版事業の構造的な問題が指摘されている。今後の株主総会での議決結果次第では、経営体制の大幅な変更が迫られる可能性もある。



