中国自動車市場で日本ブランドの存在感が急速に薄れている。2024年1月から7月までの期間、日本車メーカーの販売台数は前年同期比で21%減少した。この背景には、世界最大の自動車市場である中国で、電気自動車(EV)シフトが加速していることが挙げられる。
日本ブランド、中国市場でシェア急落
中国汽車工業協会のデータによると、2024年上半期の日本ブランドの市場シェアは約12%と、2020年の約23%から半減した。特に、日産自動車とホンダの販売減が顕著で、両社合わせて前年比30%減となった。一方、中国メーカーである比亜迪(BYD)は同じ期間に販売を40%以上伸ばし、シェアを拡大している。
トヨタ自動車も例外ではない。同社の中国での販売は2024年1-7月で前年比15%減となり、特にEVモデルの投入が遅れていることが響いている。トヨタはハイブリッド車(HV)で強みを持つが、中国政府がEVとプラグインハイブリッド車(PHV)に補助金を集中させる中、HVの需要は頭打ちとなっている。
EVシフトに出遅れる日本メーカー
中国市場では、EVとPHVを合わせた新エネルギー車(NEV)の販売比率が2024年に初めて50%を超えた。これに対し、日本メーカーのNEV販売比率は10%未満にとどまる。特に、中国市場向けのEVモデルが限られていることが課題だ。日産は「Ariya」を投入したが販売は低調で、ホンダは「e:Nシリーズ」を展開するものの、価格競争で中国勢に劣る。
日本メーカーの苦戦は、中国消費者のブランド選好の変化にも起因する。J.D.パワーの調査によると、中国の新車購入者のうち、日本ブランドを検討する割合は2020年の35%から2024年には18%に低下。一方、中国ブランドを検討する割合は40%から60%に上昇した。
中国メーカーの台頭と価格競争
BYDをはじめとする中国メーカーは、2024年に相次いで値下げを実施。BYDの「秦PLUS」は日本車の同クラスモデルより30%以上安い価格設定で、日本メーカーの販売を直撃している。また、中国メーカーはソフトウェアや自動運転機能で差別化を図り、特に若年層の支持を集めている。
日本メーカーは、中国市場での立て直しに向けてEV投資を加速している。トヨタは2024年6月、中国でEV用バッテリーの現地生産を開始。日産とホンダも2025年までに中国市場向けEVを10車種以上投入する計画だ。しかし、専門家は「日本メーカーが巻き返すには、価格競争力とソフトウェア技術の向上が不可欠」と指摘する。
今後の展望
中国自動車市場のEVシフトは今後も加速するとみられ、日本メーカーにとって厳しい環境が続く。中国汽車技術研究センターの予測では、2025年にはNEVの販売比率が70%に達する可能性がある。日本メーカーが中国市場で生き残るには、戦略的な転換が急務となっている。



