プラン・インターナショナルは、子どもの権利が守られた平等な世界を目指し、85年以上にわたり世界で活動する国連公認の国際NGOである。子どもや女の子への支援を軸に、国内累計4000社を超える企業のCSR・サステナビリティ活動のパートナーとして、支援設計から成果報告までオーダーメイドで伴走してきた。その沿革と企業から選ばれる理由について、CMOの小泉美礼氏に取材した。
現地との対話を重視した支援の歴史
1937年、スペイン内戦下の孤児保護に端を発するプラン・インターナショナルは、80カ国以上で子どもの教育や保護など7分野の取り組みを展開する。現在は特に、貧困や差別で困難な立場に置かれやすい女の子や女性への支援に注力する。小泉氏は活動の転機を次のように語る。「2004年、プランのスタッフがジャーナリストのネパール取材に同行した際、男の子だけを学校に通わせる家庭に出会い、教育における男女格差を痛感しました。女の子の状況を本格的に調査し、地域の人々と話し合いを重ね、課題を自分たちの問題として向き合える体制を築くこと、住民自身の力で課題を解決できる土壌を育むことに力点を置いています」
この視座は国内活動でも一貫しており、若年女性への相談支援、アドボカシー活動、リーダーシップやジェンダーバイアスをテーマにしたイベント・セミナーを定期的に開催している。
企業が選ぶ理由:現地理解と柔軟な提案力
プラン・インターナショナルが企業のCSRパートナーとして選ばれる理由は、社会課題への深い理解と各企業のニーズに応じた柔軟な提案力にある。小泉氏は「企業様からは、現地の事情をよく理解していること、企業のニーズを聞いて現地と橋渡しするパーソナライズした支援計画を作れること、そしてフットワークとフレキシビリティーを評価していただいています」と語る。
大企業だけでなく小規模事業者との協業やプロモーション連動企画にもオーダーメイドで対応。予算や関心領域に応じて複数のプランを提示し、支援結果として現地に生まれた変化を具体的に可視化する報告体制にも定評がある。「学校の建設件数や受益者数といった直接的な実績から、早婚率の変化など中長期的な社会課題の改善度合いまで報告します。同時に、現地の子どもや教師、地域リーダー、現場スタッフの声も必ず盛り込みます。1つのプロジェクトが終わっても次の協業を希望する企業が多いのは、こうした体制があるからです」と小泉氏は説明する。
社会貢献が企業価値を左右する時代
企業が協業する動機はさまざまだ。女性向け製品のブランド価値向上として売り上げの一部を女の子支援に充てた事例や、カカオ産地の子どもを支援し調達の持続可能性と社会貢献を一体で実現した菓子メーカーもある。また、社会貢献活動は対外的なブランド発信にとどまらず、採用や従業員定着、社内エンゲージメント向上にも関わるテーマとなっている。小泉氏は「18~29歳を対象にした調査では、就職・転職先として社会貢献活動をする企業を考える人は62%に上りました。自分が所属する企業が社会とどう関わっているか、若い世代はよく見ています」と述べる。
小泉氏は、社会貢献活動は大規模プロジェクトである必要はないと強調する。企業の目的や事情に合わせて参加しやすい形を整え、現地で本当に必要とされているものと丁寧につなげていく。その積み重ねが、支援を届けるだけでなく、企業が社会と真剣に向き合っていることを示す確かな証しとなる。
国際ガールズ・デーに向けたパートナー募集
10月11日はプラン・インターナショナルの働きかけで国連が定めた「国際ガールズ・デー」であり、この日に向けて女の子の権利やエンパワーメントを共に進めるパートナー企業を募集している。興味のある企業はオンライン相談(30分・無料)から問い合わせ可能だ。これらの取り組みは社会的インパクトの創出と同時に、企業の信頼性やブランド価値の向上にも寄与する。
プラン・インターナショナルでは、大小さまざまな企業の目的や課題、予算・期間に応じて、社会貢献活動をSDGs・DE&I施策として社内外に発信できる形で具体化してきた実績がある。支援方法の例として、国際ガールズ・デーの協賛(単年キャンペーン)や海外教育支援・緊急支援(中長期プロジェクト)があり、寄付は税制優遇(損金算入)の対象となる。7月31日までの相談で「CSR活動スタートガイド」を進呈している。
協業事例:野村ホールディングスとMIC
野村グループでは、毎年9月に役員と社員が参加する「グローバル・チャリティ・チャレンジ」を開催。ランニングや登山などの健康促進エクササイズに取り組み、参加料の代わりに寄付を行う。会社もマッチング・ギフトを実施。2025年は980人の役員と社員が参加し、親睦を深める機会となった。子どもたちへの金融経済教育に取り組む野村グループは、プラン・インターナショナルの教育支援と方向性が一致し、2024年には能登半島地震の被災地における教育支援活動へ、2025年にはカンボジアの小学校の教育環境整備プロジェクトへ寄付を行った。創立100周年を迎え、次の100年の価値創造を支える「野村ウェルグローイング・インスティテュート」を設立し、社会貢献活動を強化している。
MICは女性向けインナーウェアを中心に70年以上ものづくりを手がける企業で、「すべての女性が心地よく生きるためのモノづくり」をモットーとする。国際ガールズ・デーに合わせて「MIC Presents “THINK FOR GIRLS” Week」を開催。プラン・インターナショナルの「PLAN MOVEMENT」にパートナー企業として参加し、売り上げの一部を寄付。関連イベントや特別コンテンツを通じて女性のエンパワーメントを応援する姿勢を発信した。



