茨城県内企業の81.4%が仕入れ価格上昇、価格転嫁進むも人件費課題
茨城企業81.4%仕入れ価格上昇、転嫁進むも人件費課題

常陽産業研究所(水戸市)が実施した調査で、茨城県内企業の81.4%が前年同期と比較して仕入れ価格が「上昇した」と回答したことが明らかになった。前回調査(2025年12月)から11.6ポイントの増加となり、原材料やエネルギー価格の高止まりが企業経営に継続的な影響を与えている実態が浮かんだ。

価格転嫁の実態:9割が転嫁意向

調査は2026年6月1日から18日にかけて実施され、県内の204社から有効回答を得た。仕入れ価格の上昇分を販売価格に「転嫁している」と答えた企業は61.7%に上り、「転嫁予定」を含めると90.9%の企業が転嫁意向を示した。業種別では、製造業の67.1%が転嫁済みであるのに対し、非製造業は57.1%とやや低い水準にとどまった。

価格転嫁率については、全体で「1~20%」が43.9%と最多だった。製造業では「1~20%」(29.0%)、「41~60%」(22.6%)、「81~100%」(22.6%)と分散傾向にある一方、非製造業では61.5%が「1~20%」に集中しており、業種間で転嫁率に明確な差が見られた。

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人件費上昇:転嫁は依然困難

人件費の動向については、79.5%の企業が「上昇した」と回答し、「変わらない」は17.0%だった。しかし、人件費上昇分を価格転嫁できている企業は44.9%にとどまり、「転嫁予定」を含めても80.2%が意向を示すにとどまった。これは、仕入れ価格の転嫁率(90.9%)と比較して10ポイント以上低い数値であり、人件費の価格転嫁がより難しい実態が浮き彫りとなった。

企業からは「価格転嫁交渉が成立し、収益改善が期待できる」(輸送用機械業)との前向きな声がある一方、「人件費上昇分はなかなか転嫁できない」(小売業)との厳しい意見も聞かれた。

専門家の見解:中東情勢と賃上げの影響

常陽産業研究所は、「中東情勢や賃上げの影響に、企業の対応が追いつかない状況がうかがえる」と分析。エネルギーコストの上昇に加え、人手不足を背景とした賃上げ圧力が企業収益を圧迫しており、特に非製造業や小売業では価格転嫁の遅れが目立つと指摘している。

今回の調査結果は、県内企業が直面するコスト上昇と価格転嫁の課題を改めて浮き彫りにした。今後の物価動向や景気見通しに影響を与える可能性があり、引き続き注視が必要だ。

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