奄美クロウサギ農作物被害、捕獲せずゼロへ 麻布大などが調査研究開始
奄美クロウサギ被害ゼロへ 麻布大など調査研究開始

鹿児島県大和村と麻布大学生命・環境科学部(神奈川県)が昨年12月に結んだ包括連携協定に基づく調査研究が7月、同村で始まった。アマミノクロウサギの行動特性や運動能力を解析することで、増加する農作物被害やロードキル(交通事故死)の抑制につなげる狙いだ。

活動を先導する江口祐輔教授(56)に、取り組みの意義や動物との共生のあり方について聞いた。

調査の目的

「奄美群島ではアマミノクロウサギの個体数増加とともに農作物被害が増えている。動物行動学の手法を使ってこの問題の解決策を探るのが目的だ。全国では、イノシシやシカなどの捕獲数が増加しているのに被害額は減っていない。私たちの研究テーマは『捕獲せず被害をゼロにする』こと。アマミノクロウサギを対象にこれまでの手法を発揮し、成果を導きたい」

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1回目の調査結果

1回目の調査は7月25日まで行われた。「6月に学生と現地入りし、7月4日に調査を始めた。タンカン畑や村道に設置した26台の自動撮影カメラのデータを集めたほか、村道の路肩に設けられた侵入防止ネットの状況調査や農家への聞き取りなどを行った。カメラの映像からクロウサギがふんをする回数や場所、滞在時間などが徐々にわかり始めている」

「2021年に張られた侵入防止ネットを調べたところ、約400メートルの間にかみちぎられたような跡が276か所見つかった。『なぜかみちぎってまで道路に出てくるのか』『なぜ柵があってもロードキルは発生するのか』。それを解明するために穴(破損部分)の大きさや周辺環境を分析し、動物が道路に入ってこない環境づくりを探っていく」

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