宮崎県内の中山間地に通い、住民との対話の様子を動画配信したり、担い手不足に直面する神楽の舞手を務めたりしてきた三井麻衣さん(24)が、地方で働く全国の若者をたたえる「ルーキー・オブ・ザ・イヤー in LOCAL」で地域課題解決賞を受賞した。
三井さんは仙台市出身。東京の武蔵野美術大の3年の頃、授業の一環で、縁のない宮崎県での人材創出事業のプログラムに参加した。この事業は宮崎県と武蔵野美術大が共同で行い、約1か月間、学生が宮崎で生活しながら、地元の人と関わり、林業や山間部の暮らしを学ぶものだ。
水源清掃に参加し「暮らしのギャップ」に衝撃
三井さんは宮崎県日之影町で、台風が通過した後に住民たちが集落で水源を清掃する活動に参加し、一緒に汗を流した。生活で使う水を守るため水源を自ら管理する姿に、「蛇口をひねれば水が出る暮らしとのギャップに衝撃を受けた」という。
住民らの生活を見ながら、高齢化や担い手不足といった地域の課題を実感した。一方で、そこに住む一人一人が地域に誇りを持ち、多少の不便があっても日々の生活に喜びを感じていることも知った。
「山ラジオ」で住民の声を発信
「地元の人には当たり前過ぎて語られることのない山の暮らしの魅力を伝えたい」との思いが残り、翌年の大学4年の春、自主的に宮崎に戻り、日之影町に約3か月間滞在した。住民らに出演をお願いして、自分との対話を「みついまいの山ラジオ」と題して週1回、30~50分程度ユーチューブやアプリで配信し、卒業制作とした。
出演したのは町の中学生や保護者、農家、商店主、林業関係者ら20人近く。一人一人が「この風景は守っていかないといけない宝」「人のつながりが強いところが好き」などと町への思いを語った。
卒業後は県外から宮崎市に移住し、「宮崎は温かい人が多い」と話す。「スポットライトのあたらない山の暮らしの魅力を伝えていきたい」と語る。



