帝国データバンク水戸支店がまとめた令和8年度上半期(4~9月)の茨城県内企業倒産集計によると、件数は前年同期比5件増の84件となり、上半期としては平成25年度以来13年ぶりに80件を超えた。負債総額は同27億9100万円増の143億8500万円だった。
大型倒産が負債総額を押し上げ
神栖市の土木建築工事業者など負債額10億円以上の大型倒産が5件発生し、総額を大きく押し上げた。業種別では「建設」が25件で最多となり、「サービス」17件、「小売り」14件が続いた。倒産主因は「販売不振」が63件(75.0%)、倒産態様別では「破産」が79件(94.0%)を占めた。
中小企業へのしわ寄せと高齢化
建設業の倒産の背景について同支店は「県内の大手は受注できているが、中小にしわ寄せが来ている」と指摘し、小規模企業にとって「価格転嫁が進まず利益が出ない。失注を恐れて交渉しにくい」とみている。倒産主因としては「経営者の病気、死亡」も10件となっており、「高齢化が進み、後継者がおらずそのまま会社を畳まざるを得ないケースが増えている」と分析した。
今後の見通しと経済の不透明感
今後については「新型コロナウイルス禍で借り入れをしすぎた企業にとって金利上昇は厳しく、真綿で首を絞められるように資金ショートを起こしてくる」と警戒感を示し、「水面下の予備軍が表面化し、倒産件数は当分じわじわ増えるのではないか」と見立てた。
足元の経済状況は、持ち直しの動きが見られる一方で不透明感も漂う。帝国データの9月県内景気動向調査によると、景気DI(指数)は43.4と4カ月連続で改善しているが、半導体関連需要を追い風に大企業が改善する一方、小規模企業は悪化し、明暗が分かれた。天候不順や物価高による消費者の買い控えも重しとなっている。
県内経済の動向について常陽産業研究所の9月調査は「持ち直しているものの、中東情勢による影響がみられる」とし、原油高や金利上昇への注視を促す。茨城労働局の8月概況も、雇用の「改善の動きが弱まっている」と指摘した。