厨房機器国内トップのホシザキ。ペンギンマークで知られる同社は、実は海外売上高比率が5割を超えるグローバル企業である。積極的なM&A戦略で世界を席巻してきたが、現在はPMI(買収後の統合)フェーズに移行し、グループシナジーの発揮に注力している。
インドの「コーラ戦争」で生まれた意外な勝者
インドでは現在、激しい「コーラ戦争」が繰り広げられている。地元のカンパ・コーラの攻勢に対し、アメリカのコカ・コーラやペプシコが加わり、小売店の棚の奪い合いが起きている。その結果、「予想しなかった勝者」が生まれたという。それが「ビジクーラー」と呼ばれるガラス扉付き業務用ショーケースを手がけるメーカーだ。
ビジクーラーのインド最大手は、ムンバイに拠点を置くウエスタン・リフリジレーション(以下、ウエスタン)。ホシザキの子会社であり、コカ・コーラ向けの専用工場を持つなど、大手飲料メーカーからの信頼は厚い。
ホシザキの強み:業務用冷蔵庫・製氷機で圧倒的シェア
レストランの厨房で使われるステンレス製冷蔵庫や製氷機、スーパーのサラダバー、アイスクリーム店の中身が見える冷蔵・冷凍庫など、ホシザキの製品は身近な場所で使われている。日本国内のシェアは業務用製氷機で約6割、業務用冷蔵庫で約5割と、まさに「厨房機器の横綱」だ。
1981年から海外展開、M&Aで急成長
ホシザキは1981年にアメリカ、1992年にヨーロッパに現地法人を設立するなど、早くから海外市場を開拓してきた。しかし2005年時点の海外売上比率はわずか11.4%だった。そこからM&A戦略を強化。小林靖浩社長は「オーガニックな海外展開には時間がかかりすぎる。国内は少子高齢化で伸びない。だから海外M&Aで出ていこうという発想だった」と振り返る。「投資銀行に幅広く声をかけ、来るものを拒まずに検討して買っていった」という。
2006年にはソフトドリンクのディスペンサー(給水機器)を手がける米ランサーを買収。その後も世界各国で買収を重ね、2025年12月期の売上高4860億円に占める海外比率は53.3%に達した。
インド子会社ウエスタンが成功事例に
冒頭のウエスタンの株式50.1%を取得したのは2013年。その後段階的に株式を取得し、出資比率を82.4%まで高めた。海外事業担当の取締役専務執行役員を務めた西口史郎氏は「ウエスタンは成功事例」と胸を張る。ウエスタンの2026年1〜3月の売上高は前年同期比19%増、営業利益率は22%と、ホシザキのアジア事業の成長を牽引している。
今後の課題:PMIとグループシナジー
積極的なM&Aを進めてきたホシザキだが、今後はPMI(買収後の統合)を優先し、グループ全体のシナジー発揮に注力する方針だ。世界各地に散らばる子会社の連携を強化し、さらなる成長を目指す。



