上場企業の役員で他社の取締役や監査役を兼任する数が最も多いのは、GMOインターネットグループの熊谷正寿氏と安田昌史氏で、ともに8社に及ぶ。東洋経済の調査で分かった。
兼任多い役員ランキング
議決権行使助言会社グラス・ルイスは、業務執行者は3社以上、非業務執行者は6社以上の上場会社で役員を兼任する場合、反対投票を推奨するガイドラインを設けている。その理由として「取締役および監査役は、株主への責務を果たすためには、十分な時間を要する」「過剰な兼任数を持つ役員は、会社の非常時に重大なリスクをもたらす可能性がある」と説明する。
国内機関投資家の富国生命も、独立社外の取締役・監査役が当該企業以外に5社以上で社外役員を兼任している場合は、選任・再任に原則反対する方針を掲げる。
最多はGMOグループの2氏
東洋経済が各社の株主総会招集通知や有価証券報告書、東洋経済の「ESGオンライン」を基に調べたところ、兼任最多は8社の熊谷氏と安田氏だった。2人はいずれもGMOインターネットグループの取締役で、熊谷氏はグループ代表・会長兼社長CEO、安田氏はグループ代表補佐・副社長CFOを務める。熊谷氏が1991年にグループの前身を設立し、公認会計士の安田氏が2000年から参画している。
2人が兼務する8社はすべてGMOグループ企業。熊谷氏は8社のうち7社で取締役会長を、残る1社で代表取締役を務める。ほぼ毎月開かれる取締役会への出席率は2人とも平均90%を超えている。
グラス・ルイスは、兼任先が子会社などのグループ会社の場合、「当該役員がCEOまたは業務執行を務める企業において議決権行使助言を行う際、例外的に過剰な役員兼任を理由とする反対助言を控える」としており、熊谷氏らはそのケースに当たりそうだ。
熊谷氏らに続いて兼任社数の多い役員は、ページ下のランキング表に掲載している。



