公正取引委員会は20日、ペットフードを値下げしないよう小売店に強制した疑いがあるとして、ペットフード輸入販売業者「ベッツ・チョイス・ジャパン」を独占禁止法違反(再販売価格の拘束)の疑いで立ち入り検査した。関係者への取材で分かった。
再販売価格の拘束とは
独占禁止法は、メーカーなどが小売店に指定した価格で販売するよう強制する「再販売価格の拘束」を、「不公正な取引方法」の一つとして禁じている。小売店間の価格競争が妨げられれば、消費者が商品を安く購入する機会が失われる恐れがあるためだ。
相次ぐ値引き制限の調査
公取委は2024年、家具卸売り大手の関家具が高級チェアを希望小売価格で販売するよう小売店に強制していたとして、排除措置命令を出した。25年には、タイヤ大手のダンロップが1本数万円の高級タイヤを安売りしないように小売店に求めたとして行政処分をした。
サングラスの人気ブランド「レイバン」などを展開する「ルックスオティカジャパン」も、小売店の価格を制限したとする容疑で調査。今年8月に、同社から自主的な改善計画の提出を受けて調査を終えた。
物価高が背景に
相次ぐ調査の背景には、長引く「物価高」があるとみられる。多くの商品の値上がり傾向が続けば、複数の小売店の価格が高止まりしていても消費者には不自然に映りにくい。公取委幹部の一人は「物価高の状況では、値下げを制限する違反行為が起こりやすく、より注意している」と語った。
今回、初めて調査対象となったペットフード市場も、物価高に伴う値上げが続く。総務省の小売物価統計調査によると、東京23区の2025年のドッグフードの平均価格は2339円。24年より263円(約13%)上がった。メーカー各社は値上げの理由に原材料の高騰などを挙げていた。