2027年4月に予定される第四北越フィナンシャルグループ(FG、新潟市)と群馬銀行(前橋市)の経営統合まで半年を切った。県境を越えた地銀再編が進む中、統合効果をどう発揮するかが課題となっている。
統合の概要と準備状況
両社は2026年3月に経営統合について最終合意した。新たな持ち株会社「群馬新潟フィナンシャルグループ」の本社を東京都内に置き、第四北越銀行と群馬銀行が完全子会社として傘下に入る。統合後の連結総資産は2026年3月期時点の単純合算で21兆6962億円となり、国内で5番目の規模の地銀グループが誕生する。
新FGでは約100人規模の社員が経営企画やリスク管理などの部署で業務にあたる予定で、両社から半数ずつを出し合う。実務担当者らが新潟、群馬、東京を行き来しながら業務のシミュレーションを行い、生成AIの共同研究にも取り組んでいる。
第四北越FGは読売新聞の取材に「円滑なスタートと、早期のシナジー(相乗効果)の発揮に向け、準備の総仕上げを進めていく」とコメントしている。
「近くて遠い県」の課題
県境をまたぐ再編には課題も多い。新潟と群馬は険しい越後山脈で隔てられ、「近くて遠い県」との印象を持つ県民も多い。両社の本店は約200キロ離れており、店舗の統廃合や人員削減は行わない方針のため、コスト削減効果は限定的とみられる。
松本大学松商短期大学部の飯塚徹教授らの調査では、第四北越銀行をメインバンクとする新潟県内の中小企業114社のうち71.9%が「自社にとって影響・効果はない」と回答した。企業からは経営基盤の強化に期待する一方、「群馬銀行のことがよくわからない」との声も上がった。
専門家の指摘と大光銀行の動向
飯塚教授は「広域化・効率化を進めると(支援から)漏れてしまう企業がある。経営統合が地域の企業にどのような恩恵をもたらすのか、継続的な情報の可視化が求められる」と指摘。他の金融機関や商工会議所などと連携し、中小企業を支援するシステムづくりが重要だと強調する。
一方、県内のもう一つの地銀である大光銀行(長岡市)には注目が集まる。飯塚教授らの調査では、2021年に第四銀行と北越銀行が合併した後、新たに取引を開始・拡大した金融機関として大光銀行が7.9%で最も多かった。リスク分散のため、サブバンクとしての需要が高まった可能性がある。
大光銀行は現時点で合併や経営統合の予定はなく、川合昌一頭取は5月の決算記者会見で「今まで取り組んできた中小企業との関係構築の施策は変わることはない。地域に役立つ銀行として存在価値を高めていく」と述べた。