訪朝後に再入国した朝鮮総連幹部、独自制裁対象と政府方針に齟齬も
訪朝後に再入国した朝鮮総連幹部、独自制裁対象と政府方針に齟齬も

日本政府が独自制裁で北朝鮮訪問後の再入国を原則禁じている対象とみられる在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)幹部の一人が、8月末から9月中旬にかけて訪朝した後、日本への再入国を認められていたことがわかった。政府は4月にも別の制裁対象者の再入国を認めており、政府方針との整合性が問われそうだ。

教育局長が訪朝、再入国許可

日本政府関係者によると、この幹部は5月に朝鮮総連の教育局長に選出された。政府は制裁対象者のリストを公表していないが、朝鮮総連の議長や第1副議長、各局長らで構成する中央常任委員会メンバーについて、訪朝後の再入国を原則認めておらず、教育局長も本来は対象に含まれるという。

政府関係者らによると、教育局長を含む教育者代表団は第15回全国教員大会に参加するため、8月29日から9月12日まで訪朝した。朝鮮中央通信によると、金正恩総書記は9月4日、大会参加者との記念写真の際、代表団の一人一人の手を取り、「有能な人材をより多く育て上げること」を求めた。

4月にも再入国認める、理由に不備の可能性

日本政府は4月にも、最高人民会議(国会)代議員を務める在日本朝鮮商工連合会会長の再入国を認めた。政府関係者によると、今回も教育局長に対し、渡航先を北朝鮮とする再入国許可が出されたという。

再入国が認められた理由について、政府関係者は「手続きや省庁間の連絡に不備があった可能性もある」と指摘する。一方、在日関係者の間では、日本政府が北朝鮮との対話再開を視野に柔軟に対応したのではないかとの見方も出ている。

金正恩氏が在日社会の教育分野を重視

在日関係者らによると、金正恩氏は近年、在日社会の世代交代や教育分野を重視している。朝鮮学校の児童生徒らの訪朝を認めるほか、教育者との交流も進めているという。

ただ、北朝鮮は中国やロシアとの関係強化を進める一方、日本批判を繰り返しており、日朝対話再開の見通しは立っていない。