米国のAI(人工知能)開発企業アンソロピック(Anthropic)が生成AIの学習に海賊版サイトを通じて書籍を無断で利用したとして、米国の作家らが起こした著作権侵害訴訟で、米連邦地裁は20日、アンソロピックが15億ドル(約2440億円)を支払って和解することを承認した。AI企業に対する米国の主要な著作権訴訟で、和解に至るのは初めてとなる。
海賊版サイトから約700万冊をダウンロード
裁判所は、アンソロピックがAIモデル「クロード」の開発に海賊版サイトの書籍約700万冊をダウンロードして使ったことは著作権侵害にあたると認めた。このうち約50万冊分について、アンソロピックは1冊あたり3千ドルを著者や出版社側に支払う。裁判所によると、著作権をめぐる集団訴訟の和解としては過去最大の金額になる。
和解金の支払いと今後の影響
和解金15億ドルは、アンソロピックの財務状況に大きな影響を与える可能性がある。同社は2026年2月にニューデリーで開かれた会合で、ダリオ・アモデイ最高経営責任者が講演するなど、国際的な事業展開を進めている。本和解は、AI企業が学習データとして著作物を利用する際の倫理的・法的枠組みに一石を投じるものとして注目される。
アンソロピックは、今後は正規のライセンス契約を通じてデータを取得する方針を示している。この訴訟は、生成AIの学習データに関する著作権問題の先例として、業界全体に波及効果をもたらすとみられる。



