エア・ウォーター、不正会計後も調査妨害 新経営陣の再建への険しい道のり
エア・ウォーター、不正会計後も調査妨害 新経営陣の再建へ

産業ガス大手エア・ウォーターは6月29日、定時株主総会を開催した。不正会計問題を受けて経営陣を全面刷新し、新社長に就任した千歳喜弘氏は「ガバナンスの実効性をいかに高めるか。内部統制のやり直しと風土改革を最優先に、早期の信頼回復に努めたい」と決意を述べた。

取締役の顔ぶれが一変、社内取締役は全員交代

総会を機に取締役は大きく入れ替わった。昨年の総会で選任された社内取締役6人のうち、会長だった豊田喜久夫氏は昨年12月に辞任、社長だった松林良祐氏も総会直前に取締役候補から外れ、6月29日付で退任した。残る3人も同日に退任し、社内取締役はすべて入れ替わった。新体制では社内取締役は3人に減少。新社長の千歳氏はマクセル会長などを歴任し、2022年から社外取締役を務めていた。副社長の唐渡有氏は住友金属工業出身で経理畑、生え抜きはほくさん出身の西村浩和氏のみ。社外取締役は4人から5人に増え、8人中5人を占める。

不正発覚後も続いた隠蔽工作と調査妨害

しかし、不正会計問題の根は深い。報告書公表後もグループ内で調査妨害や隠蔽工作が続いていたことが判明。特に創業家出身の青木氏からは「罵詈雑言」が飛び、強権的な体質が長年染みついていたとされる。豊田氏の回顧によれば、内部統制は形骸化し、特注指定や有報提出遅延などの問題が山積。アクティビストの参戦もあり、ガバナンス改革は急務となっている。

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株主からは内部人材不足を懸念する声

総会会場は前身の一つ「ほくさん」創業地の北海道で、出席株主は92人。昨年より25人増加し、関心の高まりを示した。新体制に対し、内部人材不足を不安視する声も上がったが、会社側は「不適切会計を受けたガバナンス強化が最優先」と理解を求めた。

新社長の千歳氏、78歳で再登板

千歳氏は78歳で上場企業のトップに再登板。長年の強権体質を改め、信頼回復への道筋を描けるかが問われる。経営陣は「早期の信頼回復」を掲げるが、課題は山積している。

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