小幡績教授が考察するアフターエコノミクス:サッカーW杯の波紋とネギだく有料化の牛丼が示す、価格やGDPでは測れない幸福
小幡績教授が考察するアフターエコノミクス:サッカーW杯の波紋とネギだく有料化の牛丼が示す、価格やGDPでは測れない幸福

サッカーW杯が終わり、日本のような真のサッカー大国でない国の社会では、あっという間に忘れ去られるだろう。しかし、スポーツビジネスと社会の関係において、今大会が残した波紋は大きい。

小幡績教授は、3つの問いを提示する。第1に、経済第一主義、儲け第一主義でいいのかという問題だ。FIFAが史上最高に儲けた一方で、参加チーム数増加などにより、選手のコンディションが悪化し、各国のプロリーグの試合に障害が出て、選手の競技生命が短縮化された。カネがスポーツそのものの基盤を毀損している。第2に、金持ちだけが楽しめていいのか。チケットは数百万円で取引され、場合によってはテレビで見ることもできなくなり、すべて有料放送になる可能性がある。本来スポーツに期待される役割とは逆である。第3に、スポーツイベントの経済効果が過大評価され、公的支援を求める声があるが、効果は本当に大きいのかという問題だ。

価格と満足度の乖離

教授は、これらの問いを考える上で、身近な消費行動に注目する。かけそばが290円から400円になった例や、牛丼で「ネギだく」が有料になった例を挙げ、価格が満足度を表すとは限らないと指摘する。アンケートも、実際に支払った金額も、正しいデータではない。払った価格がイコール満足度なのか。価格では計り知れない含意があり、価格の底知れぬ含意が存在する。

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20世紀末には、牛丼とサッカーさえあれば幸せになれた。しかし、21世紀の第1四半世紀が過ぎ、世界は様変わりした。牛丼とサッカーが世界を不幸にし始めたのだ。

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