早く始める就活が正解とは限らない 大学生活を大切に、就活の極意
早く始める就活が正解とは限らない 大学生活を大切に

「周りがもうインターンに参加しています。自分も急いだ方がいいでしょうか」――最近、学生からこうした相談を受けることが増えました。就職活動の早期化が進む中、「早く動かなければ出遅れる」と不安になるのも無理はありません。

実際、現在の就活は大学3年生の夏、あるいはそれ以前から始まっています。インターンシップやオープン・カンパニーに参加し、そこから早期選考につながるケースも珍しくありません。周囲が動き始めれば、自分だけ何もしていないことに焦りを感じるでしょう。

採用したいのは就活をたくさんした学生に非ず

私も学生には、早めに業界や企業を知り、準備を始めることを勧めています。早く動けば、それだけ多くの企業を知ることができ、自分に合う仕事を考える時間も増えるからです。しかし、ここで勘違いしてほしくないことがあります。「就活を早く始めること」と「大学生活を就活一色にすること」は、まったく違います。

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就活が早期化すると、「インターンに参加しなければ」「資格を取った方がいいのでは」「ガクチカを作らなければ」と考え、大学生活の時間を就活対策に振り向ける学生がいます。しかし、企業が採用したいのは「就活をたくさんした学生」ではありません。

面接で企業が知りたいのは、その学生がこれまで何を考え、どのように行動してきた人なのかです。ゼミで意見が対立したとき、どう向き合ったのか。アルバイトで困っている後輩に何をしたのか。部活動で結果が出ないとき、何を考えたのか。研究に没頭した経験でも構いません。こうした日常の経験の中に、その人の価値観や考え方、行動の特徴が表れます。

経験を自分で話せる学生は面接に強い

ところが、就活を意識し過ぎると少し奇妙なことが起こります。「面接で話せる経験を作ろう」と考え始めるのです。その結果、「ガクチカになるから」という理由で長期インターンや学生団体、資格取得などを始める学生もいます。もちろん、それ自体が悪いわけではありません。本当に興味があるなら、ぜひ挑戦すべきです。

ただ、「就活で評価されそうだから」という理由だけで経験を選ぶ必要はありません。採用担当者は、華やかな経験そのものを評価しているわけではないからです。アルバイトでも、ゼミでも、サークルでも構いません。重要なのは、その経験に本人がどう向き合い、何を考え、どう行動したのかです。

私は長年、学生の就職活動を支援してきましたが、面接で強い学生には一つの特徴があります。それは、「就活のために用意した話」ではなく、自分自身の経験を自分の言葉で話せることです。

就活以外の時間も大切に

だからこそ、就活が早期化している今、学生の皆さんには「就活以外の時間」も大切にしてほしいと思います。就活を始めることと、大学生活を充実させることは二者択一ではありません。企業について調べる日があってもいい。インターンに参加する日があってもいい。同時に、研究に打ち込む、アルバイトで後輩を育てる、友人と何かに挑戦する。そうした時間も大切にしてください。

まずは一週間を振り返り、「就活以外で、自分は何を経験しただろう」と考えてみてください。企業が採用したいのは、「就活が上手な学生」ではありません。自分なりの経験を持ち、そこから自分なりに考えられる学生です。早く走り始めることだけが、良い就活ではありません。就活の早期化に焦るあまり、社会に出る前の貴重な大学生活、そして自分自身をつくる時間まで失わないでください。

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