新しい給付制度「所得連動給付」が2029年度に本格導入されることが固まった。ただ、導入までの2027、28年度に「つなぎ」と位置づけている食料品の消費減税とは恩恵を受ける人が異なる。消費減税と新しい給付制度との切り替えが、今後の波乱要因となる可能性がある。
「大変意義深い」と小野寺氏
社会保障国民会議で、実務者会議の議長を務める自民党の小野寺五典税調会長は16日、新たな給付制度の道筋をつけたことを自賛した。「大変意義深い」と述べている。
これまでの政府の給付策は、国民に一律だったり住民税が非課税の低所得世帯だったり、所得に応じたきめ細かな支援ができずにいた。「『バラマキ』という指摘もあった」「従来作っておくべき制度が、今まで不十分だった」と小野寺氏は言う。
所得連動給付とは
「所得連動給付」は、働いていることを原則として、中低所得者に所得額に応じて現金を配る。日本は他の先進国と比べて中低所得者の税や社会保険料の負担が重く、こうした人たちの手取りを増やすことを主目的としている。対象者を絞り、給付額も変化させることで「バラマキ」ではない制度の創設をめざした。
消費減税とのズレ
しかし、つなぎとして導入される食料品の消費減税は、低所得者ほど恩恵が大きいわけではなく、中低所得者でも高額な食料品を購入する層がより恩恵を受ける可能性がある。一方、所得連動給付は中低所得者に限定されるため、支援対象にズレが生じる。この切り替えが政治的な波乱要因となる可能性が指摘されている。
政府は2029年度からの本格導入に向けて、制度設計を急ぐ方針だ。



