政府は8日、食料品の消費税減税に関する税制改正大綱の原案を自民党と日本維新の会に示した。2029年4月に消費税率を1%から8%に戻す際の負担を軽減するため、29年度は所得に連動した給付を4月と秋の2回実施することを明記した。政府・与党は給付事務を担う地方自治体との協議も踏まえ、週内に与党内の意見集約を図り、15日にも閣議決定する考えだ。
給付スケジュールの概要
政府は27年4月に食料品の消費税率を8%から1%に引き下げ、29年4月に元に戻す方針だ。減税を行う27~28年度は、消費税率1%分の財源(約6000億円)に相当する規模で中低所得者に先行給付する。
本格導入する29年度は給付を2回に分ける。先行給付者を対象に、4月に半年分を支給。その後、前年の所得情報を基に新たな対象者を決め、秋に残りの半年分を支給する。
当初は年1回の給付を想定していたが、税率を元に戻すことで消費が落ち込む懸念に配慮した。ただ、8日に開かれた国と地方の協議の場で、地方側は「4月の給付は自治体にとって多忙な時期なので、大きな負担になる。慎重に検討してほしい」と求めた。
給付制度の特徴と地方の反発
新たな給付制度は働く個人を対象に、所得に応じて額を変動させるのが特徴だ。子どもの数に応じた加算も行う。原案には、給付対象者が公金受け取り口座を登録していれば、申請なしで受け取れるようにする方針も明記した。
一方、原案では給付に関する国と地方の費用負担について、3分の2以上を国が、残りの半分ずつを都道府県と市町村が負担する案を示したが、地方との協議では自治体から反発が相次いだ。全国町村会長の棚野孝夫・北海道白糠町長は「財源の確保が厳しくなっていく中で、新たな財政負担を受け入れることは極めて厳しい」と指摘した。政府は週内にも改めて協議の場を開き、地方側から理解を得たい考えだ。
事業者支援と財源確保
原案には消費税減税によって影響を受ける事業者らを支援する方針も盛り込んだ。農林漁業者に対しては売上高を踏まえた金額を給付する仕組みを導入する。スーパーの総菜などとの税率差が拡大する外食に対しては、テイクアウトなどの多角化支援を行うとした。
消費税減税は年4・3兆円の減収につながる。原案では「市場の信認を得られるよう、特例公債(赤字国債)に頼らない」ことを明記し、補助金や租税特別措置の適正化などにより代替財源を確保していく方針を示した。



