ADB神田総裁「もう誰も日本を超大国と思っていない」YIES講演で新陳代謝を訴え
ADB神田総裁「誰も日本を超大国と見ず」新陳代謝を訴え

読売国際経済懇話会(YIES)が16日、東京・丸の内の東京会館で開かれ、アジア開発銀行(ADB)の神田真人総裁が講演した。中東情勢の混迷やAI(人工知能)の急速な発展などで世界経済の不確実性が高まっていると指摘し、国際協調による課題解決の重要性を訴えた。

中東情勢とインフレへの危機感

神田氏は、中東情勢の悪化を受けたエネルギー価格の上昇により、商品やサービスへの価格転嫁が始まっていると説明。「時間を置いてインフレ(物価上昇)が激しくなる可能性が高い」と危機感を示した。

ADBのデータによると、2026年のアジア・太平洋地域の新興国では、インフレ率が前年より1・3ポイント上昇し、国内総生産(GDP)成長率は0・6ポイント低下する見通しだ。

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日本の地位低下と改革の必要性

一方、00年のアジア・太平洋地域のGDPに占める日本の割合は5割を超えていたが、25年には1割に低下。代わりに中国が5割弱を占め、インドが日本と肩を並べる。神田氏は「もう誰も日本を超大国と思っていない。生産性を上げて新陳代謝を進めるべきだ」との見解を示した。

ADBは、原子力発電への融資の解禁や、民間企業への融資拡大などの取り組みを進めているといい、「変化が激しい時だからこそ、大胆な改革ができる」と強調した。

円安と構造改革

為替市場で円安が進んでいることについては、「中長期的に為替は国力を反映する」と指摘。円の購買力を守るには競争力の向上が不可欠との考えを示し、労働市場などの構造改革が必要だと述べた。

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