日本と米国、欧州の中央銀行が、そろって利上げに動いた。中東ホルムズ海峡危機などを起点とするインフレ加速への警戒からだ。世界の3主要中銀の利上げがほぼ重なるのは約20年ぶり。グローバル化の逆流により、絶え間ない供給ショックが恒常的にインフレ圧力をもたらし、金利も高止まりする時代が現実味を帯びつつある。
日銀総裁が指摘した共通要因
1.25%への利上げを決めた18日の金融政策決定会合後の記者会見。日本銀行の植田和男総裁は、日米欧の利上げが重なったことについて「わりと共通の要因に反応している面がある」と指摘。中東発のインフレ圧力と、人工知能(AI)関連の動きの強さを挙げた。
前回の同時利上げはリーマン前
リーマン・ショック前の2000年代半ばに利上げが相次いだ局面では、世界貿易機関(WTO)に加盟した中国など新興国の台頭で世界的に需要が高まり、米国では住宅バブルが膨らみつつあった。米連邦準備制度理事会(FRB)は04年、欧州中央銀行(ECB)は05年に利上げを開始。世界経済の成長を追い風に日銀も06年にゼロ金利解除に動いたが、米住宅バブル崩壊を経て先進各国は長期停滞に陥った。
供給ショックの続発がインフレ招く
それ以来の「3極同時利上げ」となる今回。世界が直面するのはかつてのような需要の高まりというよりも、エネルギーや原材料、商品の供給が滞るショックの続発と、それによるしぶといインフレだ。ECBのラガルド総裁は利上げに踏み切ったが、その背景には供給ショックが一時的な「ノイズ」ではなくなったことがある。



