三重県伊勢市の明倫商店街で発生した火災から7日で1週間を迎えた。アーケードに覆われ、木造店舗が軒を連ねる商店街は延焼しやすく、消火活動が難しい――。商店街に共通するリスクが改めて明らかになった。
火災の概要と被害
8月31日午後3時15分ごろに火災は起きた。鎮火まで約44時間を要し、戦後から続く歴史ある明倫商店街はほぼ全焼。約4300平方メートルを焼き、58棟が被害を受けた。
事前の防火対策
「一度火がついたら全滅する」。伊勢明倫商店街協同組合の理事長で、衣料品店を50年以上営む乾正治さん(75)は、周囲にもそう繰り返し、予防を訴えていた。
8年前、市内の同じアーケード街、高柳商店街で6棟が全焼する火災が起きると、その後、乾さんが働きかけ、市消防本部と合同で2年ごとに明倫商店街で訓練をした。消火器による初期消火や避難のタイミングを教わり、毎年、商店街独自の訓練も重ねていた。
道幅が3~4メートルと狭く、木造の店舗間は10~50センチと密集している。設備で防火を図るには限界があったが、消火器を数十メートルおきに配置し、商店街のアーケードの屋根には防火用石膏(せっこう)ボードも張り付けた。通行客のたばこの投げ捨てなどに注意するよう、回覧板や警告書で念を押してきた。
商店街の苦悩
「やれることはやっていたのに…」というのが、商店街の苦悩だ。事前の対策を重ねてきたにもかかわらず、大規模な被害を防ぐことはできなかった。



