首都圏の中古マンション市場で、売り手の希望価格が実際の成約価格を上回る状態が続き、その差が広がっている。不動産業界ではこの価格差を「ワニの口」と呼び、相場の過熱を示す動きとして注目されている。
不動産業界の情報システムを手がけるレインズの集計によると、6月に首都圏で売り出された物件の新規登録価格は、前年比20.8%増の6626万円となり、26カ月連続で上昇した。一方、売買が成立した物件の成約価格は同0.02%減の5208万円で、5月に19カ月ぶりに下落したのに続き、2カ月連続の下落となった。
「ワニの口」が映す強気と限界
価格差は1平方メートル当たりの単価で見るとより明確だ。新規登録価格は2024年夏に成約価格を上回って以降、急伸している。一方、成約価格は緩やかな伸びから横ばいに移行。この価格で売れるはずと期待する所有者の強気な値づけに、買い手が予算の制約で追いつけない姿が浮かび上がる。
成約価格が頭打ちになっている背景について、マンションリサーチ社の福嶋真司氏は「金利上昇に伴い、投資目的の購入が多い都心5区など東京都内で価格の調整が進み、平均を押し下げている。首都圏全体で住宅取得の需要が落ちたわけではない」と指摘する。
首都圏のデータは東京・神奈川・埼玉・千葉の1都3県の平均値。都県別で見ると、ワニの口が大きく開くのは都心部などの東京都で、他の3県では開いていない。



