見た目は普通の団地だが、その中身はまるで注文住宅のような広々とした空間に変身している。大阪・香里三井の団地群で進む「ニコイチ」改修が注目を集めている。
2戸を1つにつなげた大空間
この改修は、隣り合う2戸の住戸を1戸につなげることで、住戸面積そのものを大きくするものだ。通常のリノベーションが古い内装や設備を更新し既存の面積の中で暮らしやすさを高めるのに対し、ニコイチは住戸に新たな「広さ」をつくる点が特徴である。
公社のニコイチの担当者はこう語る。「45㎡の住戸をつなげることで、リビングやダイニング以外に、子ども部屋もできますし、プラスアルファの部屋もできます。空間に余白が生まれることによって、住む人が好きなように住まい方を変えられるのは魅力だと思います」
900戸を超える団地の課題
今回訪ねた香里三井の団地群には、1960年代後半から70年代にかけて管理が始まった900戸を超える公社賃貸住宅がある。住戸面積は45㎡ほどで、3Kや3DKが多い。こうした住戸は老朽化だけでなく、間取りの柔軟性にも課題を抱えていた。
ニコイチによって90㎡の大空間が生まれると、くつろぐ場所、家事をする場所、仕事をする場所などを無理なく配置できるようになる。バルコニーの住戸の間に立つパネルも撤去され、ひと続きの空間が生まれている。



