大阪府堺市の茶山台団地と茶山台B団地で、築55年の団地をリノベーションした「ニコイチ」住戸が人気を集めている。2戸の住戸を縦または横につなげて90㎡の大空間を生み出すこの手法は、若い世代や子育て世帯を中心に関心を呼んでいる。
「ニコイチ」の仕組みと設計の工夫
ニコイチは、隣接する2戸の住戸を1つにつなげるリノベーション。配管をベランダ側に回して上下階をつなげるなど、設備面にも工夫が施されている。もともと配管が通っていた穴を利用して、上階へ水やお湯を送る仕組みだ。電気や水道のメーターまわりの調整など、契約や管理面も考慮されている。
コンセントや配線の工夫も随所に見られるのがニコイチならではの特徴だ。
入居率の大幅な回復と現在の状況
茶山台団地では、現在30を超えるニコイチが供給されている。初期から人気は高く、入居募集時に最高応募倍率11倍を記録したこともある。公社の資料によると、以前は全体の2割弱にあたる160戸を超える空き住戸が発生していたが、その後大きく減少した。
団地全体の入居促進が図られ、図書館、惣菜屋、DIY工房などの施設も整備されている。住民によるイベントも賑わいを見せる。
しかし、入居率の回復によって皮肉な状況も生まれている。「始動して10年が経ち、ニコイチ以外にもリノベーション住戸が増えました。その効果もあり、入居率が高くなりました。ニコイチをつくるにも、空いている部屋がないという状態です」と説明されている。現在の入居率は93%に達している。



