奈良県知事が上告断念、平群メガソーラー工事継続で土砂流出が止まらず住民不安
奈良県知事が上告断念、平群メガソーラー工事継続で土砂流出

奈良県知事、大阪高裁判決を受け入れ上告断念

奈良県平群町で計画されている大規模太陽光発電所(メガソーラー)建設を巡り、山下真奈良県知事は7月6日、大阪高等裁判所の判決を受け入れ、上告しない方針を明らかにした。この判決は住民側の逆転勝訴となり、県が事業者に与えた林地開発許可の取り消しを命じる内容だった。しかし、事業者である協栄ソーラーステーション合同会社(東京)が7月2日に上告したため、最高裁判例により県が重ねて上告することはできないという。

工事は継続中、6月の台風で土砂流出

今後は、住民と事業者が対立する「係争中」の状態で建設工事が続く見込みだ。一方、建設造成地では6月の台風による大雨で土砂が流出。下流域の住民は工事を停止し、抜本的な対策を講じるよう求めている。開発地は標高255メートルから366メートルの中腹に位置し、面積は約48ヘクタール。切り土と盛り土で造成され、出力2万キロワット以上の「生駒平群太陽光発電所」の運転開始を目指している。

知事「判決は説得力がある」

記者会見で山下知事はA4版9ページの資料を配布し、「大阪高裁判決は一般人も理解しやすい説得力のある判決だ」と述べた。その上で、県としては判決を尊重するが、事業者が上告したため訴訟は継続中であり、工事停止命令を出すことはできないとの見解を示した。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

住民側弁護団「危険な状態、工事停止を」

住民側の弁護団は「建設造成地は危険な状態であり、工事停止や県の指導が必要」と訴える。弁護団の一人は「土砂流出が繰り返し発生しており、下流域の安全が脅かされている。県は事業者に対して適切な指導を行うべきだ」と強調した。

事業者側の主張と専門家の見解

協栄ソーラーステーション合同会社は7月6日付のプレスリリースで、「安全対策の観点からも近隣地区の皆さまを含むすべての関係者にとって最善の道は事業を完成し、発電施設の稼働を実施させること」と主張。事業貫徹の姿勢を示した。しかし、専門家からは「造成地の地盤が脆弱で、これまで4回の土砂流出が確認されている。抜本的な対策なしに工事を続ければ、さらなる災害リスクがある」との指摘が出ている。

住民の不安と今後の課題

下流域に住む住民は「雨が降るたびに土砂が流れ出し、夜も眠れない。工事を止めて安全を確保してほしい」と訴える。今後、平群の山はどうなるのか。林地開発許可の取り消しを巡る最高裁の判断が注目される一方、工事継続に伴う安全対策や環境影響についても議論が続きそうだ。難題は山積している。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ