宮城県は、中国・大連市に置く現地事務所を12月末で閉鎖することを決めた。事務所は県内企業の進出支援を目的に開設されたが、平成28年を最後に新規の進出企業がなく、県は一定の役割を終えたと判断した。
開設から20年、役割終える
県によると、大連事務所は平成17年に開設。中国への進出を希望する県内企業をサポートし、販路開拓や交流促進などでは現地当局との折衝も担った。現在は県から派遣した職員と現地スタッフの2人が常駐し、同じフロアには岩手県の現地事務所もある。
開設当時、大連市周辺で宮城県内の進出企業は6社9拠点だったが、現在は16社23拠点に増加。ただ、福島第1原発事故後、中国は県産品の輸入規制を強化。令和5年8月の処理水放出後は宮城を含む10都県の水産物の禁輸が続き、企業進出の動きも止まったままという。
円安で維持費1.5倍に
また、円安に伴う為替相場の影響で事務所の維持費が約1.5倍に増加。行政コストとの兼ね合いなども考慮し、閉鎖を決めた。
県の担当者は「近年の日中関係など政治的事情と事務所の閉鎖は無関係」と前置きした上で、「20年に及ぶ現地活動で得られた知見は大きい。閉鎖後も進出を望む企業があれば、後押ししたい」と説明した。
他県の状況と今後の方針
県によると、宮城のほかに大連市に現地事務所を置くのは青森、岩手、新潟、神奈川、富山の5県と北九州市の6自治体。宮城では韓国ソウル市にも現地事務所を開設しているが、今後も継続するという。



