三井不動産の藤岡千春専務執行役員は、東京・日本橋で進む大規模再開発について、その始まりは株価の急落だったと振り返る。1999年に東急百貨店が閉店し、その土地を三井不動産が取得すると株価は急落。街の衰退から悲観的な見方が多かったが、東京駅に近い立地の価値を信じ、「日本橋再生計画」を立ち上げた。
江戸時代からの歴史と分断された街
日本橋は江戸時代に五街道の起点となり、商業と文化の中心地として栄えた。明治以降は金融街として発展したが、高度経済成長期に建設された首都高速道路が街を分断。川に背を向けたビルが連なり閉鎖的な空間となり、バブル崩壊で活気を失い、休日に人が歩かない街になったという。
再生計画の具体策と文化重視
2004年に商業施設「コレド日本橋」を開業。その後、地上39階建ての三井タワーなど大型開発を進めた。ビルの屋上にあった福徳神社を地上に移設し、建物の低層部の高さを1963年以前の水準である100尺(約31メートル)に統一するなど、文化や伝統を重視した街づくりを進めている。
藤岡専務は、商業施設、オフィス、ホテルの混在が生む価値にも言及。オフィスの募集賃料は上昇しているという。



