丸ノ内線の方南町駅には、「立正佼成会という新興宗教の信者のために作られた」という都市伝説がある。本当だろうか?実際に現地を訪れて検証してみた。
地元のカフェ店主は一笑に付す
駅前の「Cafe & Bar Bell」店主・古川大輔さんに聞くと、「えー、そんな話があるんですか、申し訳ないけど聞いたことがないですね。それは単なる都市伝説でしょう」と否定。古川さんは方南町の街の気質を「下町的な親しみやすさ」と表現し、外で遊んでも最後に地元の店に戻ってくるような人間関係の近さが残っていると語った。
宗教ジャーナリストが指摘する時系列の矛盾
宗教専門誌『宗教問題』編集長の小川寛大さんは、「そういうウワサがあること自体は私も知っているけど、事実ではないでしょうね。そもそも時系列が合わない。立正佼成会の創立は38年。一方、中野坂上と方南町を結ぶ丸ノ内線分岐線が開業したのは62年でしょ。教団創立から実に24年も後のことです。また、駅のすぐ近くに大聖堂が建っているわけでもなく、少し歩かなければならない。そうした立地からも教団と駅に直接の関わりがあるとは思えません」との見解を示した。
小川さんはさらに、立正佼成会が「良くも悪くもおとなしい団体」であるため、方南町にタワマンが乱立せず、下町的な親しみやすさが残っていると指摘。かつてあった音楽ホール「普門館」は取り壊され、現在はただの広場になっているという。
噂は誤りだが、魅力的な街
取材を通して、方南町の魅力が伝わってきた。前出の常連客「金ちゃん」は「毎月文化祭があるような街なんですよ」と笑う。たとえ駅の由来が都市伝説だったとしても、住むとちょっといい街であることに変わりはない。



