国土交通省が3月22日に発表した2023年の公示地価(1月1日時点)で、関東圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)の住宅地と商業地の平均変動率が、新型コロナウイルス禍前の水準を上回った。住宅地は前年比1.9%増、商業地は3.3%増となり、いずれも2020年の水準を超える伸びを示した。
住宅地は2年連続上昇、商業地も回復基調
住宅地の平均変動率は、2022年の1.6%増から1.9%増に拡大。2020年は0.8%増だったため、コロナ前を上回る上昇となった。商業地は2022年に0.4%増と微増だったが、2023年は3.3%増と大幅に回復。2020年の1.4%増も上回った。
国土交通省の担当者は「低金利環境や在宅勤務の定着による住環境への関心の高まり、商業施設の需要回復が背景にある」と分析している。
東京都心の上昇が顕著、郊外も堅調
東京都内の住宅地は、都心3区(千代田区、中央区、港区)で平均3.2%増と高い伸びを示した。特に港区は4.1%増と際立った。一方、郊外の多摩地域でも2.0%増と堅調で、埼玉県や千葉県のベッドタウンでも1.5%前後の上昇がみられた。
商業地では、東京・銀座の「明治屋銀座ビル」が1平方メートルあたり5380万円で全国最高値を更新。銀座全体では3.8%増となった。また、渋谷区や新宿区でも3%を超える上昇が続いている。
今後の見通しと課題
専門家は「都心部の地価上昇は当面続くが、金利上昇や景気減速リスクには注意が必要」と指摘する。また、住宅地では資材価格高騰による新築マンション価格の上昇が中古市場にも波及しており、需給バランスの変化が懸念される。
国土交通省は「地価は経済活動の回復を反映しているが、地域差も大きい。引き続き動向を注視する」としている。



