東京都板橋区本蓮沼駅周辺は再開発が行われない街として知られる。住民からは「何もない街だよ」との声が聞かれる。しかし、台地上でありながら「沼」の字がつく地名の由来や、オリンピック強化選手の合宿拠点としての一面がある。
地名の由来と歴史
現在、「本蓮沼」という地名はなく、本蓮沼駅付近に「蓮沼町」が存在する。蓮沼町は1932年の板橋区成立時から1961年まで志村本蓮沼町だった。駅名が「本蓮沼」なのは、都営地下鉄三田線開通の際、相互直通運転予定の東急に「蓮沼駅」があったため、旧町名からとったものである。
「蓮沼」の字から低湿地を連想するかもしれないが、蓮沼町は武蔵野台地上にある。かつて蓮沼は荒川沿いの低地にあったが、1728年の洪水を機に地名ごと台地上へ移転された。氷川神社や南蔵院も同様に移転してきたとされる。
街の現在
本蓮沼駅周辺にはトプコンの大規模工場をはじめ、電器や製作所と書かれた工場が点在する。しかし、賑わう商店街はなく、工場の数も多くない。街中には戸建てと3階程度の集合住宅が多く、住宅地の色が濃い。中山道から一本裏道に入ると、個人商店の割合が高くなる。蓮沼アスリート通りには低層の店舗併用住宅が軒を連ねる。
住民が「何もない街」と言う一方で、オリンピック強化選手の合宿拠点としても利用されている点が特筆される。



