広島県は15日、7月1日時点の基準地価を発表した。県内で最も上昇率が高かったのは、再開発が進むJR広島駅(広島市南区)付近の商業地で、前年比15.9%の大幅な伸びとなった。県全体の平均変動率は、林地を除く全用途でプラス0.9%となり、商業地は同1.7%、住宅地は同0.5%だった。
JR広島駅周辺で地価上昇続く
調査対象となった421地点のうち、価格が上昇したのは前年と同じ214地点。横ばいは5地点増えて35地点、下落は3地点減って168地点だった。
商業地(120地点)では、広島駅南側の広島市南区京橋町の調査地点が上昇率トップとなった。広島駅では昨年3月に新駅ビルが開業し、昨年8月には広島電鉄の「駅前大橋ルート」の運行も始まった。駅周辺では、ホテルチェーン大手のアパグループが2027~28年に3つのホテルを開業させる予定を公表するなど、投資が活発化している。
今年3月には、新駅ビルと駅前の大型商業施設「エールエールHIROSHIMA」をつなぐペデストリアンデッキの供用も開始。県地価調査鑑定評価員の三宅功・代表幹事は、JR広島駅周辺について「人の流れが変化してきたことが、地価の上昇につながっている」と分析する。
福山駅周辺や住宅地でも上昇
JR福山駅周辺でも再開発が地価を押し上げている。同駅南口ではバス乗降場を併設した広場が整備される予定で、近くの福山市東桜町の調査地点では5.9%の伸びとなった。県内の商業地の最高価格は、41年連続で「広島市中区本通」で、1平方メートルあたり353万円だった。
住宅地(282地点)では、広島市南区段原の調査地点が7.1%で県内トップ。広島駅からの利便性の高さと再開発が追い風となった。備後地区では福山市北吉津町の調査地点が5.2%の伸びを記録した。県内の住宅地の最高価格は、19年連続で「広島市中区白島中町」で、1平方メートルあたり57万8000円だった。
一方、県内30市区町の住宅地の平均変動率をみると、府中町や広島市南区など15市区町で上昇したが、江田島市や大崎上島町、府中市など15市町では下落した。三宅氏は「利便性の高い住宅地と、中心部から離れた郊外の古い住宅地などでは、二極化がどんどん進むだろう」と指摘している。



