中国人観光客の「爆買い」の主戦場が、炊飯器や化粧品などの家電製品から不動産へと大きくシフトしている。円安の進行により、日本はまるで「バーゲンセール」状態となっており、在留中国人約90万人がこの流れを後押ししている。不動産事業プロデューサーの牧野知弘氏は、日本の不動産が外国人に人気の理由を解説する。
日本の不動産は「世界に開かれたフリーマーケット」
牧野氏によれば、日本では外国人であっても不動産を購入する際にほとんど制限がない。これは世界でも稀なケースであり、特に中国からの購入者にとって大きな魅力となっている。中国では国内の個人でも不動産を所有することは可能だが、土地は国家または農民集団のものであり、所有権はなく、使用権を得るにすぎない。
中国の「70年使用権」の壁
中国では居住用地の使用期限は最長70年で、工業用地は50年、商業用地は40年と定められている。権利の更新は可能だが、あくまで使用権であり、共産主義国家である中国では政府の意向次第で権利が取り上げられるリスクがある。近年の不動産ブームにもかかわらず、中国での不動産所有は必ずしも安定した権利を保証するものではない。
日本の強固な私権
一方、日本では土地や建物の所有権が完全に認められており、外国人も同様の権利を取得できる。この点が中国人投資家にとって非常に魅力的に映っている。牧野氏は「日本の不動産は世界に開かれたフリーマーケットであり、外国人でも自由に購入できる」と指摘する。
アジア各国の不動産規制
アジア各国では不動産購入にさまざまな規制がある。タイは外国人による土地所有が49%までに制限され、ベトナムでは原則として外国人の不動産所有が認められていない。こうした規制だらけの環境と比較して、日本の開放的な不動産市場は特に中国人投資家の関心を集めている。
円安が続く中、日本の不動産は割安感が強まっており、在留中国人のネットワークを通じてさらなる購入が進むと見られる。牧野氏は「この流れは今後も続くだろう」と予測している。



