山口県沖の離島・笠佐島の土地を中国人が購入したことが2025年に報じられ、安全保障上の懸念が高まった。米軍岩国基地までわずか20キロの立地に加え、SNSでは「水源地に毒を入れられる」「神社を破壊される」といった噂が拡散。しかし、実際のデータを検証すると、これらの懸念は誇張されている面がある。
笠佐島の購入実態:面積と価格
笠佐島は94万平方メートル(東京ドーム約20個分)の広さで、島民は6世帯8人。島の土地の約7割を地元不動産会社が所有しており、その一部3651平方メートル(約1106坪)が2017~2018年にかけて上海在住の中国人3人に売却された。坪単価約2万円、総額約1990万円で、別荘建設が目的とされる。現在は電柱が敷設され、重機が搬入されている。
SNSで拡散する噂とデータの落差
「水源地に毒を入れられる」という噂について、林野庁と農林水産省の統計によれば、日本の森林面積に占める外国人の所有割合は0.07%、農地に至っては微々たるものだ。また、農地法により外国人による農地取得は原則禁止されており、実際に買い占めが起きている証拠はない。
神社仏閣が狙われる本当の理由
「神社を破壊する」という噂も広がるが、専門家は神社仏閣の取得が脱税やマネーロンダリングの「器」として利用されるケースがあると指摘する。実際の買い占めではなく、犯罪目的の物件取得が問題視されている。
結論:データに基づく冷静な議論を
中国人による不動産取得は一部の事例に過ぎず、全体として日本の土地・農地・水源への影響は限定的だ。安全保障上の懸念は理解できるが、噂に惑わされず、正確なデータに基づいた議論が求められる。



