大阪府堺市南区の泉北ニュータウンにある「茶山台団地」で、2つの住戸をつなげて約90㎡の大空間にする「ニコイチ」と呼ばれるリノベーションが注目を集めている。この取り組みは、大阪府住宅供給公社が始めたもので、若い世代や子育て世帯を団地に呼び戻すための施策だ。
築55年、もとは45㎡前後の住戸だった茶山台団地
茶山台団地は28棟923戸からなる大規模団地で、1971年に入居が始まった。当時は約1000戸が満室だったが、少子高齢化で空室率が年々上昇。駅近の好立地ながら空き家が目立つようになったため、公社はニコイチを導入した。
ニコイチは、隣り合う住戸の壁を取り払い、縦方向(上下階)または横方向(隣戸)に2戸をつなげて1つの住戸とする手法。従来の45㎡から約90㎡に広がることで、現代のニーズに合った間取りを実現している。
縦と横、2種類のニコイチ
横方向のニコイチでは、2つの住戸を横につなげてワンフロアに大空間を創出。一方、上下階をつなげる「タテニコイチ」では、階段で行き来しながらリビングとプライベート空間を分ける暮らし方が可能だ。
室内には、かつての浴室だった空間を倉庫として活用するなど、団地の名残を残す工夫も見られる。入居者からは、注文住宅のようなオシャレさと使い勝手の良さが評価されている。
入居率向上と今後の課題
ニコイチの導入により、茶山台団地の入居率は改善。しかし、成功の裏で、新たにニコイチをつくるための空き住戸が減り、施工が難しくなるという課題も生じている。それでも公社は、この「新しい暮らし方」を提案する住まいとして、今後も取り組みを続ける方針だ。



