山口県は17日、県内のコンビナートにおける産業基盤を大規模に共有化する構想を明らかにした。全国初の取り組みとされ、ファンドが設備を所有し、運営会社を通じて企業に電力を供給する仕組みで、脱炭素化とコスト削減を図る。国の「GX(グリーントランスフォーメーション)戦略地域」の認定に向け、県計画の独自性を高める狙いがある。
共有化の対象と仕組み
県によると、共有化を検討する産業基盤は、自家発電、燃料・原料の調達、メンテナンス、空き地など15項目に及ぶ。生産設備の貸し付けも行い、新規参入を後押しする。今夏には企業と作業部会を設置し、具体的な議論を開始する予定だ。
司令塔として、県などが出資する運営法人「GXやまぐちHD」(仮称)を今秋にも設立。来年度中に金融機関の融資などを基にファンドを組成し、設備を所有する。運営会社「インフラサーブ・やまぐち」(仮称)がファンドから設備を借り受け、電力やガスなどのサービスを企業に提供する。
脱炭素化とコスト削減の目標
県内のコンビナートでは各社が石炭で自家発電しており、発電量は全国でも突出している。共有化により天然ガスへ転換して脱炭素化を進め、共同調達でコストを引き下げる方針だ。2040年までに、発生する二酸化炭素の1トン当たりの生産性を3倍に引き上げ、脱炭素に取り組む企業350社以上の誘致目標を掲げた。
GX戦略地域制度と今後の展望
GX戦略地域は脱炭素化を支援する国の制度。県は「コンビナート等再生型」の有望地域に選定されており、今後認定されれば構想が具体的に動き出す。平屋隆之副知事は「個々の企業ではできない取り組みが、基盤の共有化で進められるようになる」と述べた。



